【資料3】合成開口レーダー干渉解析の原理

 2時期に観測されたSAR(合成開口レーダー)画像において、ピクセルごとに位相差を得る解析手法で、SAR干渉法、干渉SAR等と呼ばれます。位相差は2回の観測における人工衛星と地表面との間の距離の差に相当しますが、観測位置の差、地形による効果などを除去することによって、2回の観測間に生じた地殻変動による距離変化を抽出することができます。この手法は、他の観測では検出困難なほどの稠密な地殻変動情報を得られることや、地表における観測点を設置する必要がないという利点を有します。

 陸域観測技術衛星「だいち」に搭載されているPALSARは、L帯域マイクロ波(波長23.6cm)を用いる合成開口レーダーで、樹木に覆われた山地丘陵地でも樹冠を通して地表が観測でき、日本列島のような湿潤温帯気候の土地での地殻変動検出に適しています。

合成開口レーダー干渉解析の原理

SAR干渉解析により得られる地殻変動成分の概略図