航空機搭載レーザースキャナーによる観測密度の事前評価について

Preflight Evaluation of Data Point Density in Airborne Laser Scanning

地理地殻活動研究センター  神谷 泉
Geography and Crustal Dynamics Research Center Izumi KAMIYA

要旨

 本稿では,(1)航空機搭載レーザースキャナーを,走査線のフットプリントの形状により平行型とW型に分類し,(2)撮影計画の方針を,重複撮影を行わない単コース,同一の飛行コースで重複撮影する単純重複コース,サイドラップをとって重複撮影するサイドラップコース,縦方向と横方向の飛行コースを用いるクロスコースに類型化し,計測点の密度について評価した。評価の指標として,計測点面密度(単位面積あたりの計測点数),欠測セル率(セル中に計測点が存在しないセルの割合),平均2乗内挿距離を用いた。その結果,以下の結論を得た。 平行型においてもW型においても,クロスコースの計測点の密度は,2回重複撮影する単純重複コースと同じである。平行型においては,ちょうどn回重複撮影するサイドラップコースの計測点の密度も,n回重複撮影する単純重複コースと同じである。一方W型においては,ちょうどn回重複撮影するサイドラップコースW型は,欠測セル率を指標としても,平均2乗内挿距離を指標としても,n回重複撮影する単純重複コースW型よりも有利である。W型で重複撮影を行う場合は,原則としてサイドラップコースを採用すべきである。ちょうどn回重複撮影するサイドラップコースは,特に有利である。