有珠山噴火に伴う火山活動と地形変化

Geomorphological Changes with Eruption of Usu Volcano in 2000.

地理調査部 関口辰夫・丹羽俊二・田中勝一・関崎賢一・
佐藤尚登・高沢信司・小野塚良三
Geographic Department
Tatsuo SEKIGUCHI, Shunji NIWA, Katsuichi TANAKA, Kenichi SEKIZAKI,
Hisato SATO, Shinji TAKAZAWA and Ryozo ONOZUKA

はじめに

 北海道南西部に位置する有珠火山は、平成12年3月31日に1977年以来、約22年ぶりに噴火した。国土地理院では、緊急に噴火前後を含め数次にわたって空中写真を撮影した。また、地理調査部では、「地理調査部緊急災害対策班解析チーム」を編成し、噴火状況の監視・把握や防災対策に活用する目的で、これらの空中写真を使用して噴火活動の状況を撮影時期ごとに判読を行い、噴火活動の諸現象や形成された地形及びその変化を時系列的に把握するための「有珠山火山活動状況図」を作成した。
 作成されたこれらの図は、火山噴火予知連絡会に提出するとともに、ホームページを通じて広く一般に提供している。本論では、噴火によって生じたこれらの現象や地形及び時系列的な地形変化を記載して火山活動状況図としてまとめ、噴火活動の特徴を明らかにする。