SAR画像のマッチングによる有珠山周辺の面的な三次元地殻変動、変動速度、体積変化

Two-dimensional field of Three-dimensional Components of Deformations and Velocities, and
Volume Change around Usu Volcano Associated with the 2000 Eruption by Matching of SAR Images

地理地殻活動研究センター 飛田幹男・村上 亮・中川弘之・矢来博司
Geography and Crustal Dynamics Research Center
Mikio TOBITA, Makoto MURAKAMI, Hiroyuki NAKAGAWA and Hiroshi YARAI
文部科学省研究開発局 藤原 智
Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology
Satoshi FUJIWARA

要旨

 RADARSAT等の人工衛星に搭載された合成開口レーダーの2枚の画像を高精度にマッチングさせ、マッチング後の残差として地殻変動を捉える手法を開発した。有珠山周辺にこの手法を適用して得られた変動成分について、2方向からの情報を合成することによって変動の三次元成分を面的に得ることができた。同時に、地殻変動の変動速度と体積変化を推定した。この手法により、雲、霧、噴煙等の影響を受けることなく、また危険地域に立ち入ることなく、繰り返し行われる衛星観測データを利用して、広い範囲の地殻変動を面的に監視できる。