RADARSATの干渉SARでとらえた平成12年(2000年)鳥取県西部地震に伴う地殻変動

Crustal deformation of The Western Tottori prefecture earthquake
in 2000 detected by RADARSAT SAR interferometry

地理地殻活動研究センター  矢来博司・村上 亮・飛田幹男・中川弘之
Geography and Crustal Dynamics Research Center
Hiroshi YARAI ,Makoto MURAKAMI,Mikio TOBITA and Hiroyuki NAKAGAWA
文部科学省研究開発局  藤原 智
Research and Development Bureau,
Ministry of Education,Culture,Sports,Science and Technology
Satoshi FUJIWARA

要旨

 平成12年(2000年)鳥取県西部地震の震央付近の地域について、RADARSATが地震発生前(9/17)と発生後(10/11)に取得したデータを用いて干渉SAR解析を行った。
 解析の結果、ほぼ画像全域にわたって良好な干渉を得ることができ、地震に伴う地殻変動による位相変化を検出することができた。
 解析により得られた地殻変動のパターンは、GEONETの観測結果から求められた断層モデルにより推定される地殻変動のパターンと大局的には調和している。
 10/6の地震の西側で起こった誘発地震の震央付近と弓ヶ浜半島において、モデル計算とは異なる位相変化が見られた。誘発地震の震央付近では干渉縞が不連続になっており、誘発地震による地殻変動を示していると考えられる。
 弓ヶ浜半島では地震の断層運動による地殻変動とは異なる局地的な変動が検出された。また、明治以前から陸地であった場所では非常によく干渉しているのに対し、明治以降の埋立地・干拓地では干渉が得られなかった。これらの地域の多くで液状化現象が発生していることから、干渉SARによる液状化発生地域の抽出可能性が示唆される。