国内VLBIとGEONETの結合と観測結果の比較

The combination results of domestic VLBI network and GEONET

測地部   石原 操・根本恵造・川原敏雄・岩田昭雄
芝 公成・高島和宏・小林京子
Geodetic Department
Misao ISHIHARA, Keizo NEMOTO, Toshio KAWAHARA, Masao IWATA
Kousei SHIBA,Kazuhiro TAKASHIMA, Kyoko KOBAYASHI
地理地殻活動研究センター   松坂 茂
Geography and Crustal Dynamics Research Center Shigeru MATSUZAKA
企画部   大木章一
Planning Department Shoichi OGIv

要旨

 国土地理院では、平成7年度からVLBI固定観測局を国内に整備し、定常的に運用を行うようになった。また、全国にはGPS連続観測点が整備され、これも定常的に運用している。この両システムを高精度な取り付け測量によって結合することにより、異なる宇宙測地技術の統合が図られ、宇宙測地における新たな知見を得ることができるとともに、その成果は21世紀の我が国の測量の基準となる測地成果2000の確立に反映されることになった。
 今回、我々が行った取り付け測量は、主にGPS測量によるもので、その精度は水平(東西、南北)成分で5mm、鉛直(上下)成分で20mm程度と考えられる。また、VLBIとGPSの両宇宙測地技術より得られた成果の比較は、新十津川局(北海道)、鹿島局(茨城県)、父島局(東京都)、姶良局(鹿児島県)の4局を用いて行い、VLBIとGPSとが良く一致している結果(水平成分で10mm以内)が得られた。
 複数宇宙測地技術の結合に関して世界の動向を反映させるには、今後、VLBIとGPSの取り付け測量精度をミリメートルレベルで実現することが必要である。