地図データの品質評価に関する調査(その2)

Research on Quality Assessment of Spatial Data II

企画部   野尻琢也・村上広史
Planning Department Takuya NOJIRI, Hiroshi MURAKAMI

関東地方測量部   関口民雄
Kanto Regional Survey Department Tamio SEKIGUCHI

要旨

 GIS普及をさらに促進させるためには、地図データ整備における重複投資の回避により、安価にかつ安心してデータを利用できる流通環境の整備が重要である。
 他方、わが国においては、民間企業が作成した地図データが数多く販売され、民間企業内だけでなく国、地方公共団体など、公共機関においても使用されるケースが増加しつつあるが、その際に、地図データの品質が確保されているか否かは大きな問題である。
なぜならば、国及び地方公共団体等で整備される地図データに関しては、一般に建設省公共測量作業規程に準拠した形でその品質が管理されていることに対して、民間が作成している地図データについては、共通の品質管理のための規程や基準が未整備であり、品質が評価されないままにデータが利用されることによって、今後はトラブルが発生することも懸念されている。
 本調査作業は、平成9年度実施の調査作業成果を踏まえ、海外の先進事例について地図データの品質管理手法及び品質認証に関する事例調査を補強し、また、国内のデータ利用者を対象にユーザの求める品質について調査を行った。
これらの調査結果に基づき、国内における品質評価システム及び認証手続きに関する検討を行った。