測地成果２０００ －測地成果２０００の概要－

　測地部では，国土地理院技術協議会の下に設置された基準点体系分科会の提言に基づき，２１世紀の位置の基準となる，新しい測地基準点成果「測地成果２０００」の公開のための準備を進めている。「測地成果２０００」の水平位置は，ＧＰＳの連続観測を行う電子基準点を骨格点として，最新の観測値で順次再計算されるため現在の基準点成果の歪みの多くが解消されることになる。更に，「測地成果２０００」は，世界標準の座標系であるＩＴＲＦ系と楕円体はＧＲＳ　８０楕円体を用いて算出される。「測地成果２０００」は，近年のＧＰＳやＧＩＳの位置情報の測定・利用技術の発達により，従来の測量・地図分野だけでなく，ナビゲーションやポジショニング等位置情報を必要とする社会の様々な分野での利用が期待される２１世紀の位置の基準である。
　垂直位置については，その基準に変更はないが最新の観測値で再計算される。標高は，実際の重力値で補正を行った正標高が採用されるため，ＧＰＳから求める標高と整合がとれることになる。