衛星SAR解析結果を用いた座標・標高補正パラメータ作成の試み
Attempt to Estimate Model Parameters for Corrections of Co-seismic Deformation using SAR data
著者
測地部 髙木悠・石本正芳
地理地殻活動研究センター 小林知勝・宗包浩志
地理地殻活動研究センター 小林知勝・宗包浩志
要旨及び本文
国土地理院では,地震発生時など,測量成果の改定が必要となった際に,改定量をパラメータ化した座標の補正パラメータと標高の補正パラメータを作成している.これらの補正パラメータの作成には,これまで電子基準点に加え,現地測量による三角点等の測量成果の改定量を用いてきた.しかしながら,地震発生後から現地の測量作業が完了するまでには,おおむね5か月程度を要するため,これらのパラメータの作成と提供にも同程度の時間を要することが課題であった.一方で,衛星SARの解析や電子基準点等によって観測された変動から推定される震源断層モデルを用いた計算によって,三角点等におけるGNSSの現地測量に比べて,より迅速に地震時の変動分布が得られている .そこで,本稿では,現地におけるGNSS測量以外のデータである衛星SARの解析結果,もしくは震源断層モデルを用いて,令和6年能登半島地震の座標の補正パラメータと標高の補正パラメータを作成し,いち早くこれらのパラメータを提供することが可能であるかを検証した.その結果,上下成分に関しては,衛星SARから作成した補正パラメータが電子基準点や三角点の測量成果の改定量と良く整合していることが分かった.この結果は,平滑化に用いるフィルタを多少変更しても結果に大きな差が生じないことから,安定した結果 が得られたと考えられる.一方で,水平成分に関しては,今回,衛星SARから作成した補正パラメータは,測量成果の改定量とは十分に整合しなかった.また,震源断層モデルから作成した補正パラメータについては,水平・上下成分ともに,電子基準点とは整合的であったものの,三角点とは大きくずれてしまう場合があった.これらのことから,令和6年能登半島地震に関しては,上下方向の補正パラメータ作成に衛星SARが有効であった可能性がある.
本文[PDF:2,286KB]
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