最終更新日:2024年10月31日

主成分分析を用いた日本周辺の地磁気変化モデルの開発(要旨)

Development of geomagnetic variation models around Japan by applying Natural Orthogonal Component (NOC) method

著者

測地部  阿部聡・宮原伐折羅

要旨及び本文

【要旨】
 方位を知る方法には,古くから方位磁石が使用されてきた.方位磁石を用いると,北の方角を知ることができるが,方位磁石の指す方向は,地球磁場の北極である「磁北」で,地球の幾何学的な北極である「真北」とはわずかに異なる.真北と方位磁石の指す磁北の差は偏角と呼ばれ,方位を測定した場所ごとに異なる.さらに,磁北は時間に伴いその位置を変えるため,偏角は時間的にも変化する.
 国土地理院では,日本全国をカバーする地形図を作成し,各地形図にはその場所における偏角値を記載している.地形図は従来,図郭ごとに分かれた紙地図であったが,最近はデジタル化されてシームレスとなり,GNSS測位を用いることで地形図上の場所を容易に得ることが可能となった.方角も,カーナビやスマートフォンに搭載された磁気センサーを用いて容易に知ることができるが,磁気センサーの示す北「磁北」と地形図の北「真北」が異なることから,偏角の値を補正しなければ,地形図上で正しい方角を示すことはできない.様々な情報が電子化された社会においても,偏角値は依然として重要な地理空間情報の一つである.ただし,偏角値は,時間的・空間的に変化するため,必要な精度の偏角情報を社会に提供するには,地磁気観測を継続し,観測に基づいた正確な偏角値を更新し続ける必要がある.
 国土地理院では,日本全国の磁場分布とその永年変化を把握するため,1950年頃から地磁気測量を実施してきた.その成果は,10年ごとに作成される磁気図として公開されている.最新の磁気図は2011年に公開した磁気図2010.0年値で,今後は5年ごとに更新する.磁気図2010.0年値の作成では,空間的に離散的な地磁気の時系列データに対して,数学的な解析手法を用いて全国を網羅する磁場変化モデルを作成する「地磁気時空間モデル」が開発された.今回はこのモデルの時間分解能をより細かくするよう拡張し,全国9点の地磁気連続観測データを同化したモデルを開発した.精度評価では,モデルは,全磁力5nT程度,磁場のX,Z成分で5nT,Y成分で10nTの精度を持つことが確認された.
  
  本文[PDF:4,521KB]

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