最終更新日:2024年12月26日

地理空間情報の平面位置正確度の評価

Estimation of the Horizontal Positional Accuracy of Geospatial Data

著者

測地部  小清水寛・村上真幸

要旨及び本文

【要旨】
 測位情報精度の更なる向上への期待を背景として,測位情報を用いたサービスの更なる高度化へ向けた取り組みが活発になっている.例えばITS(高度道路交通システム)サービス分野では,誰もが共通に利用できる高精度地図(オーソリティマップ)を利用した各種運転支援サービスが検討されている(ITS Japan, 2013).今後,測位情報とペアとなるべき地図の平面位置正確度に関する情報開示が,今まで以上の詳細さで求められると予想される.
 地図を描画するための幾何情報が収録されている地理空間情報の位置正確度については,公共測量の作業規程の準則(国土交通省, 2013)において標準偏差と呼ばれる指標の制限値が設定されている.縮尺が1/2500に相当する地図表現精度を有する数値地形図データに対する平面位置の標準偏差は,新規測量の場合には1.75m以内,修正測量の場合には2.50m以内と規定されている.
 しかしながら,この規定値をそのまま地理空間情報の位置正確度とするには問題がある.まず,標準偏差と呼ばれる指標の従う確率分布が明示されていない.さらに,上記制限値は公共測量の実態や他国の制限値と比べて大きすぎるのではないかという問題提起がなされている(村上ほか, 2010).
 そこで,米国連邦地理データ委員会(FGDC)の位置正確度策定基準(FGDC, 1998)に影響を与えたGreenwalt-Shultz(1968)による二次元正規分布の考察結果を用いて,指標の明示的な定義を与える.さらに,縮尺1/2500相当の数値地形図データのサンプル集合を対象として,指標の実勢値(平均値や実質的な制限値)を大まかに見積もる調査を実施する.

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