最終更新日:2025年2月5日

仙台市の丘陵地における地すべり性地表変動の状況

Situation of Landslide Surface Deformation of Hilly Area in Sendai City, Japan

著者

地理空間情報部  佐藤 浩
地理地殻活動研究センター  中埜貴元

要旨及び本文

【要旨】
 宮城県仙台市内の丘陵地を造成した住宅地では,平成23年(2011年)東北地方太平洋地震(M9.0;以下,「東北地方太平洋沖地震」という.)により宅地盛土に変状が生じ,宅地や住家に被害を与えた.1978年宮城県沖地震でも被害が生じた緑ヶ丘地区(約1.2km²)の現地で,東北地方太平洋沖地震による地表の変状・非変状地点の分布を調査した.その結果,元の地形の地表面の傾斜角が32°までのクラスでは,盛土分布域の変状地点数(1ha当たり)は,比較的多いことが判った.また,他の研究で滑動的変動が生じたと判断されている代表的な8箇所の盛土を対象とし,既往の3つの内陸型地震を教師データに利用した統計的側部抵抗モデルで安全性評価指数を計算した.その結果,使用した変数では盛土の安全性をやや高く見積もっている可能性があるが,今後,海溝型地震に伴って盛土で滑動的変動が生じる可能性を判断できることが示唆された.ところで,電子基準点「仙台」の地殻変動による著しい変位は東向きを示したが,盛土変動域における変状地点の斜面方位については東向きの偏りは弱く,また,その1秒間隔の変位から計算した8方位ごとの加速度についても,変状地点の斜面方位の偏りと明瞭な関連を見出せなかった.むしろ,主尾根とその両翼からなる丘陵地の斜面の大局的な向きと関連することが強く示唆される.
  
  本文[PDF:2,565KB]

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