GEONETによる平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に引き続いて発生している余効変動と余効すべりモデル
Postseismic Deformation and Postseismic Slip Model Following the 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake, Based on GEONET
著者
地理地殻活動研究センター 水藤 尚・西村卓也・小沢慎三郎・飛田幹男
測地観測センター 原 慎一郎・矢来博司・矢萩智裕・木村久夫・川元智司
要旨及び本文
【要旨】
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(以下,「東北地方太平洋沖地震」という.)の発生直後からGPS連続観測網(GEONET)によって大規模な余効変動が観測されており,地震発生後から10月末までの約7.5カ月間で最大約79cmに達している.水平変動は地震時とほぼ同じ東方向に変動しているが,上下変動は地震時とは異なる分布を示している.地震時には太平洋側で大きく沈降したが,余効変動では岩手県沿岸の一部では地震時と同じく沈降が続いている一方,宮城県以南の太平洋沿岸では隆起が観測されており,10月末までの約7.5ヵ月間で最大約15cmに達している.これら地表での観測から地下での断層すべりを推定した結果,10月末までの約7.5カ月間で岩手県沖では最大約2.7m,銚子沖では最大約1.0mのすべりが推定された.これらの余効すべりにより解放されたモーメントはモーメントマグニチュード(Mw)8.55に相当する.1960年代にチリやアラスカで発生したM9クラスの超巨大地震の余効変動は現在でも観測されており,東北地方太平洋沖地震の余効変動も今後数十年に渡り継続すると考えられる.引き続き余効変動及び余効すべりのモニタリングを行っていくとともにより詳細な余効変動メカニズムの解析を行っていくことが重要である.


