距離標準比較基線場のトレーサビリティの体系・標準化について

About a System and Standardization of Traceability on Distance Standard Baseline

測地部 野神 憩・都筑三千夫
Geodetic Department Kei NOGAMI and Michio TSUZUKU

要旨

 国土地理院では。光波測距儀(EDM)の検定場として基線場を維持管理しているが。計量法における計量標準供給度(トレーサビリティ)との繋がりが確立されていない。そのため。計量法で確立されている国家計量標準(国際標準)との繋がりを持ち。ISO9000で要求されている「国家標準との間に公的に有効な関係を持つ認定された装置を用いて校正。調整する」ことを実現し。測量行政機関として。検定機器等のトレーサビリティ体系を確立する必要性がある。  このため。独立行政法人産業技術総合研究所の実用標準器で校正された光波測距儀(EDM)を国土地理院の標準機とし。これを用いて。他のEDM。GPS測量機及び基線場のトレーサビリティの確立を目指している。  本研究では。国家計量標準に定められている『長さ』に基づき。屋内で校正されたEDM(Leica TCA2003)を用いて。屋外で観測された値が。測量・土木分野における基準距離として。どこまで同様の精度として取扱うことが妥当であるのか。国土地理院の距離標準比較基線場(約1km)にトレースするための方法ならびに測定精度。不確かさについて調査を実施した。併せてEDMによる観測値がGPS観測値にトレース可能であるのか調査したものである。 戻る