時報 vol.104 この間(7月~12月)のできごと

7月11日 第10回地球地図国際運営委員会を開催
 国土地理院は,沖縄コンベンションセンターにおいて第10回地球地図国際運営委員会が開催され,日本からは,星埜国土地理院長,近藤次郎東京大学名誉教授をはじめ,アドバイザーやオブザーバ等も多数出席した。

 

7月12~14日 「地球地図フォーラム2003in沖縄」を開催
 国土地理院は,沖縄県宜野湾市のコンベンションセンターにおいて「地球地図フォーラム2003in沖縄」を開催した。環境・地域開発・地図作成の専門家を中心に,海外41ヶ国・7国際機関からの78名の参加者をはじめ,国内外から217名の参加があった。

 

7月12~18日 「地図で見るおきなわ展」を開催
 国土地理院は,沖縄コンベンションセンター(宜野湾市)において,「地図で見るおきなわ展」を開催した。
 南国ムードいっぱいの会場を4つのコーナーに分け,パネル・パソコン・ビデオで沖縄の変遷や国土地理院の業務を紹介した。

 

7月14~19日 第16回国連アジア太平洋地域地図会議が開催される
 つ沖縄コンベンションセンター(沖縄県宜野湾市)において「第16回国連アジア太平洋地域地図会議」が,「新しいステージへの展開 アジア太平洋地域の持続可能な開発のための空間データ基盤」をテーマに開催され,国家測量・地図作成機関の長や専門家を中心に48ヶ国から約210人の参加があった。

 

7月15日 電子国土Webシステムを公開
 国土地理院は,「電子国土Webシステム」を7月15日からインターネット上に公開した。
 電子国土Webシステムは,背景地図上に自治体等の様々な地理情報を重ね合わせて表示するウェブサイトの構築を可能にし,地理情報の発信を促進することを目的として構築・公開したものである。

 

7月21~25日 ケンブリッジ会議で電子国土および地球地図に関する国土地理院の取組みを発表
 英国測量局の主催により,世界の測量局長が集まるケンブリッジ会議が開催された。会議には世界71カ国から約180名の参加者があり,国土地理院からは星埜院長,丸山地理調査部長,下山国際交流室長が出席した。

 

7月24日 平成14年度JICA集団研修「国家測量事業計画・管理」コースが終了
 昨年10月21日に開講したJICA集団研修「国家測量事業計画・管理」コースは,約10ヶ月間にわたり実施され,7月24日の閉講式をもって終了した。
 この研修は,国家測量期間の中核的人材養成を目的とし,測量・地図作成全般における事業計画および事業管理に関する講義等が実施された。

 

7月26日 宮城県北部を震源とする地震に緊急対応
 国土地理院は,7月26日,00時13分頃に発生した宮城県北部を震源とする地震に対し,災害対策本部を26日01時00分に設置(東北地方測量部は現地連絡本部を動じに設置)するとともに,電子基準点(GPS連続観測点)データによる地殻変動解析等を緊急に行った。

 

7月29日~8月29日 ケニア国における第三国研修に在外技術研修講師を派遣
 国土地理院は,ケニア共和国ケニア測量地図学院において行われた第三国研修(GISコース)に,国際協力事業団(JICA:現 独立行政法人国際協力機構)の要請を受けて,在外技術研修講師として清水環境地理課長補佐と下地情報普及課メタデータ係長を派遣した。

 

8月 平成16年度国土地理院重点施策決定
 国土地理院は,今後の測量行政の施策展開の方向性を示した平成16年度国土地理院重点施策をとりまとめた。
 平成16年度は,第6次基本測量長期計画(計画期間:平成16~25年度,現在策定中)の初年度にあたる。

 

8月1日 「児童生徒の地図作品展に関する講演と見学会」を開催
 国土地理院は,7月16日の「国土交通Day」の一環として「地図と測量の科学館」において講演と見学会を実施し,地理・地図の普及,広報および地理教育者との連携を図った。当日は,12校からの参加があった。

 

8月5日 海岸昇降検知センター総会を開催
 関東地方測量部において,海岸昇降検知センター第38回総会が開催された。
 総会では,事務局より同センターの平成14年度事業実施報告と平成15年度事業実施計画について提案を行い,審議された。

 

8月5~8,19~22日 小中学生を対象に「地理・地図に関する相談」を実施
 「地図と測量の科学館」では,毎年の夏休みに小中学生を対象とした地理・地図に関する相談を実施した。
 夏休みの自由研究等で地理・地図に関する疑問や質問を持った小中学生が,自分の家の経度・緯度の求め方や地図記号の由来等について相談に訪れ,説明を熱心に聞いていた。

 

8月6~8日 「中学生ミニ博士コース」実施される
 国土地理院では,茨城県教育委員会の事業である「中学生ミニ博士コース」参加の生徒5人を受け入れ,「地図ができるまで」をテーマとして国土地理院の仕事を体験してもらった。
 生徒達からは、地図を作る大変さがよく理解できたと感想が寄せられた

 

8月11~15日 第21回国際地図学会議が開催される
 第21回国際地図学会議が「地図のルネッサンス」を標語として,南アフリカ共和国ダーバン市において開催され,佐藤主任研究官が出席した。
 この会議では,84ヶ国から750編近い論文が発表され,国土地理院からも4編の発表を行った。

 

8月17~21日 米国地質調査所のワークショップに参加
 アメリカ合衆国地質調査所(USGS)による東京地震の確率予測研究ワークショップが同国カリフォルニア州メンロパーク市で開催され,地理地殻活動研究センター地殻変動研究室の西村研究官がUSGSからの招聘に応えて参加した。

 

8月17~31日 ニカラグア国防災地図・情報基盤整備計画調査
 ニカラグア国太平洋側地域の防災地図・情報基盤整備計画のS/W(本格調査の基礎となる実施細目)協議のため,谷岡測図部長を団長とする事前調査団がニカラグア国マナグア市を訪問した。

 

8月18日 第153回地震予知連絡会開催
 関東地方測量部において,第153回地震予知連絡会が開催され,全国の地震活動,地殻変動に関する観測・研究成果の報告と議論が行われた。特に,今回のトピックスでは,宮城県北部の地震について報告および議論が行われた。

 

8月27日 「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議」標準普及WG、整備推進WG合同会議を開催
 国土交通本省と国土地理院は,国土交通本省において標記合同会議を開催した。会議には12府省から32名の出席があり,国土地理院からは,小荒井GIS推進室長のほか2名が出席した。

 

8月30日~9月5日 東海地震を想定した国土地理院防災訓練を実施
 国土地理院では,毎年,防災週間に「政府総合防災訓練」と連携しつつ,東海地震を想定した予知対応型訓練を実施しているが,本年も9月1日を中心として実施した。

 

9月22~26日 国際VLBI事業主催のワークショップに出席
 米国マサチューセッツ州ウェストフォードのマサチューセッツ工科大学附属ヘイスタック観測所において,国際VLBI事業(IVS)主催によるVLBI観測局技術者のためのワークショップ(TOW2003: Technical Operations Workshop)が開催され,和田測地第二課超長基線係長が出席した。

 

9月26日 平成15年十勝沖地震に緊急対応
 国土地理院は,9月26日4時50分頃発生した十勝沖地震(M 8.0)に対し,26日6時00分に災害対策本部を設置(北海道地方測量部は現地連絡本部を同時に設置)し,電子基準点(GPS連続観測点)の観測データによる地殻変動解析,現地緊急調査等の緊急対応を行った。

 

9月29日 国際VLBI事業評議委員会に出席
 アメリカのマサチューセッツ工科大学ヘイスタック観測所において,第10回国際VLBI事業(IVS)評議委員会が開催され,松坂宇宙測地研究室長が出席した。評議委員会は,毎年2回開催され,過去半年間のIVSの活動実績や今後の行動基本計画を議論している。

 

10月1日 GPS連続観測システム(GEONET)表彰を受ける
 GPS連続観測システム(GEONET)が,平成15年度情報化月間記念式典において,優秀情報処理システムとして情報化月間推進会議議長表彰を受けた。

 

10月6日 JICA集団研修「地球環境地図作成技術」コースを開講
 国土地理院において,平成15年度JICA集団研修「地球環境地図作成技術:持続可能な開発のための地理情報システム」コースが開講された。
本コースは,地球環境変動の監視や環境分析の基礎資料となる地球地図データ作成技術を習得することを目的としている。

 

10月6日,13・14日 都市圏活断層図作成調査検討委員会を開催
 国土地理院は,東京(10月6日)および岡山(10月13・14日)にて「平成15年度第2回都市圏活断層図作成調査検討委員会」を開催した。
 今回の委員会では,今年度に調査を行っている「喜多方」「若松」「瀬戸」「豊田」「岡崎」「福山」「直方」「太宰府」について,調査者間の解釈に偏りが生じないように調整を行った。

 

10月7日~11月16日 第4回 いばらき児童生徒地図作品展を開催
 企画展「第4回 いばらき児童生徒地図作品展」を,「地図と測量の科学館」で開催した。

 

10月11・12日 つくば科学フェスティバル2003に出展
 「つくば科学フェスティバル2003」(主催:同実行委員会)が,つくばカピオにおいて開催された。
 国土地理院は,「地図と遊ぼう!!」をメインテーマとして出展した。

 

10月16日 ISO/TC211国内委員会に出席
 国際標準化機構の地理情報に関する専門委員会(ISO/TC211)の第31回国内委員会が東京で開催され,国土地理院から小荒井地理情報システム推進室長ほか2名が出席した。

 

10月20日 JICA集団研修「国家測量事業計画・管理」コースが開講
 国土地理院において,平成15 年度JICA集団研修「国家測量事業計画・管理」コースが開講された。
 本コースは,国家事業としての測量・地図作成全般について計画および管理を行うことができる中核的な人材を養成することを目的としている。

 

10月20日~11月6日 青函トンネル内の水準測量と重力測量を実施
 国土地理院は,日本鉄道建設公団およびJR北海道の協力を得て,当院としては初めてとなる青函トンネル内の水準測量と重力測量を実施した。
 この測量により,青函トンネル内の一等水準点の正確な高さが求められるとともに,本州の水準網と北海道の水準網が新たな一等水準路線で連結された。また,今回の測量によって,国内で最も低い一等水準点が誕生した。

 

10月21日 第154回地震予知連絡会を開催
 国土地理院は,関東地方測量部において第154回地震予知連絡会を開催した。
 今回の会議は,9月26日に発生した「平成15年(2003年)十勝沖地震」に関連して急遽開催した。

 

10月23・24日 デジタルマップフェア2003に参加
 東京都立産業貿易センターにおいて,「デジタルマップフェア2003」(主催:(財)日本地図センター,後援:国土地理院等)が開催された。
 国土地理院からは,「数値地図5mメッシュ(標高)について」「測量成果電子納品について」と題して特別講演が行われた。

 

10月24日 帯広など4地区の「1:25,000都市圏活断層図」を公表
 国土地理院は,活断層の詳細な位置を表示した「1:25,000都市圏活断層図」4地区8面を公表した。
 今回の公表により,昨年までに整備した100面と合わせて108面になった。

 

10月27日~11月3日 第2回国際斜面災害研究機構(ICL)代表者会議に出席
 カナダのバンクーバーにおいて,第2回国際斜面災害研究機構(ICL)代表者会議が開催され,国土地理院から関口企画課専門職が出席した。
 国土地理院は,同会議にて行われた特別シンポジウムで「航空レーザー測量による斜面微地形分類の形成」というテーマで発表した。

 

10月28日 第1回日中測量・地図協力会議が開催
 中国国家測絵局(北京市)において,第1回日中測量・地図協力会議が開催された。日本側からは矢口参事官,原口地理情報システム技術調整官,下山国際交流室長,佐々木測地技術調整官が出席した。この協力会議は,本年5月,星埜国土地理院長と陳中国国家測絵局長との間で締結された「測量・地図作成分野の協力に関する実施取決め」に基づき設置されたものである。
 会議では,両機関の最近の取り組みの紹介のあと,今後の協力の具体的内容が討議された。

 

10月29日 豊後水道周辺の地殻変動を公表
 国土地理院は,GPSの連続観測により,2003年8月頃から九州と四国に挟まれた豊後水道付近において,通常とは異なる遷移的な地殻変動を検出したことを公表した。
 この地域の地殻変動は,繰り返し,地震動を伴わないゆっくりとした断層すべりである可能性が示唆される。

 

10月30・31日 ISO/TC211第17回総会に出席
 ドイツ・ベルリン市で,ISO/TC211第17回総会が開催され,国土地理院からは明野情報普及課長が,日本の代表団の団長として出席した。

 

10月31日 第30回日韓測地・地図協力会議開催
 韓国・水原市の韓国建設交通部国土地理情報院(本年7月,国立地理院を改称)において,第30回日韓測地・地図協力会議が開催され,日本側代表として,国土地理院から秋山企画部長のほか2名が出席した。
 会議では,日韓双方から最新の業務内容の紹介や今後の両国の協力について意見交換が行われた。

 

10月31日~12月14日 「伊能忠敬と日本図」展が開催
 東京国立博物館平成館において江戸幕府400年記念特別展として「伊能忠敬と日本図」展が開催され,国土地理院はこれに特別協力した。

 

11月5日 「地図と測量の科学館」入館者20万人達成
 「地図と測量の科学館」の入館者が20万人に達した。その後の式典では20万人目の入館者の方に記念品と花束を贈呈した。

 

11月13日 新図式による2万5千分1地形図の刊行
 国土地理院は,新地形図情報システム「NTIS」(New Topographic map Information System)の完了および,さいたま市での地図展を記念して新たな2万5千分1地形図図式による地形図「岩槻」「浦和」「上尾」「与野」を刊行した。

 

11月13~17日 地図展さいたま2003を開催
 さいたま市(大宮ソニックシティ)で「地図展2003さいたま」(主催:国土地理院,測量・地図関係7団体 共催:さいたま市)が開催された。
 今年の地図展は,『新たな出会い 地図で知るさいたま』をサブタイトルとし,さいたま市の過去から現在,そして未来につながる都市の発展を測量と地図の技術を通じて紹介した。
 入場者数は5日間で8,340名であった。

 

11月15日 火山土地条件図「富士山」を刊行
 国土地理院は,5万分1火山土地条件図「富士山」を刊行した。
 国土地理院では、科学技術・学術審議会測地学分科会火山部会の建議した火山噴火予知計画に基づき、火山土地条件図を順次整備しており、「富士山」は12番目の刊行となる。

 

11月17日 第155回地震予知連絡会を開催
 関東地方測量部において第155回地震予知連絡会が開催され,平成15年(2003年)十勝沖地震,豊後水道のスロースリップ,10月31日の福島県沖の地震などについて報告・議論が行われた。

 

11月17日 アジア太平洋地域GIS基盤常置委員会(PCGIAP)理事会が開催される
 オーストラリアのメルボルン市において,アジア太平洋GIS基盤常置委員会(PCGIAP)理事会が開催され,国土地理院からは,星埜院長(7月にPCGIAPの事務局長に再任)と下山国際交流室長が出席した。

 

11月18・19日 国土交通省国土技術研究会で発表
 品川TOC(東京)において,平成15年度国土交通省国土技術研究会が開催された。 また,19日に同時開催された「建設技術研究開発平成14年度成果発表会」では「地殻活動観測データの総合解析技術の開発」「GISを活用した次世代情報基盤の活用推進に関する研究」「先端技術を活用した国土管理技術の開発」の発表を行った。

 

11月22日~1月12日 「地図で見る茨城の観光」を開催
 「地図と測量の科学館」において,企画展「地図で見る茨城の観光」を開催した。
 この企画展では,茨城県及び83市町村と観光協会等がPR用に作成した観光ガイドマップ・ガイドブックなどを紹介した。

 

11月28日 国土地理院研究評価委員会を開催
 国土地理院は,平成15年度第2回国土地理院研究評価委員会(委員長:高木幹雄芝浦工業大学大学院工学研究科教授)を関東地方測量部で開催した。
 委員会では,新規提案課題「歴史的地理情報を活用した風土・景観に関する研究」の事前評価および平成14年度終了課題「GPS連続観測による上下地殻変動検出手法開発に関する研究」「宮城県沖想定震源域におけるプレート間カップリングの時間変化推定に関する研究」の事後評価を受けた。

 

12月1日 「数値地図5mメッシュ(標高)」(東京都区部)を刊行
 国土地理院は,「数値地図5mメッシュ(標高)」を埼玉東南部(6月1日刊行)に引き続いて東京都区部を刊行した。

 

12月10日 電子基準点シンポジウムを開催
 国土地理院は,安田生命ホール(東京)において,電子基準点を利用したリアルタイム測位推進協議会との共催で「電子基準点シンポジウム~電子基準点の高度利用に向けて~」を開催した。
 シンポジウムでは,位置情報サービス事業者,通信サービス事業者,測位新技術関係者など各分野の第一人者および電子基準点網を基盤とした測位サービスをGISに利用したユーザーから合わせて6件の講演が行われた。

 

12月10日 地理情報標準普及・利用推進委員会を開催
 国土地理院は,弘済会館(東京)において「平成15年度第2回地理情報標準普及・利用推進委員会」(委員長:伊理正夫東京大学名誉教授)を開催した。
 今回は,研究担当者から今年度実施している研究の中間報告がされ,委員会からは,現在検討中の,地理情報標準を扱う一般向けの「地理情報標準入門書」,地理情報標準をより日本の国情に合わせるための「日本版プロファイル」について,利用者の視点にたったより使いやすいものとなるようなどの要望が出された。

 

12月11日 JICA集団研修「地球環境地図作成技術:持続可能な開発のための地理情報システム」コースが閉講
 平成15年度JICA集団研修「地球環境地図作成技術:持続可能な開発のための地理情報システム」コースが閉講した。

 

12月24日 平成16年度政府予算案が決定
 平成16年度政府予算案が,閣議決定された。国土地理院の予算総額は111億円で,「第六次基本測量長期計画」の初年度として必要な経費が認められた。