火山土地条件図「富士山」について

地理調査部　　川島悟・佐藤宗一郎・岩橋純子・中田外司・杉山正憲
Geographical Department　　Satoru KAWASHIMA， Soichiro SATO，Junko IWAHASHI，Sotoshi NAKADA， Masanori SUGIYAMA
測図部　　小西博美
Topographic Department　　Hiromi KONISHI
東北地方測量部　　市川清次
Tohoku Regional Survey Department　　Seiji ICHIKAWA
株式会社パスコ　　朝比奈利廣
Pasco Corporation　　Toshihiro ASAHINA

　火山土地条件図｢富士山｣は，富士山の観測研究，ハザードマップ作成等の基礎資料に資することを主な目的として作成したものである。作成にあたっては，富士山火山研究の専門家からなる「富士山火山土地条件図作成検討委員会」での検討結果を踏まえ，富士山地質図（津屋,1968）を参考に空中写真判読，現地調査，文献資料，数値標高データ，航空レーザスキャナによる精密地形測量などの調査・成果を基にした。

　本図は，富士山の火山活動がもたらした火山地形の分布を，その周辺に分布する扇状地・台地や富士山より古い火山である小御岳火山，愛鷹火山の地形を含めて，一図葉に収めたものである。本図からは，約10万年間の富士山の火山活動によって形成されてきた地形やその後の侵食作用，堆積作用により形成された地形など，富士山周辺の土地の成り立ちを読み取ることができる。

　本稿は，火山土地条件図「富士山」の裏面の解説面を補完するため，作成経緯，富士山固有の地形，富士山の有史以降の活動と災害，精密測量により新たに確認できた地形などを追加して，取りまとめたものである。

戻る