米国カリフォルニア州の地形地質と同州政府の地震防災対策

Natural Features on Topography and Geology in California, and Earthquake Disaster Countermeasures of the State Government

地理地殻活動研究センター  小白井亮一
Geography and Crustal Dynamics Research Center  Ryoichi KOJIROI

要旨

 米国カリフォルニア州は,東のベイズン・アンド・レンジ地帯から太平洋沿岸の海岸山脈まで,多様な地形地質の地帯に区分される。複雑な構造発達史を経て,このような区分可能な地形地質が形成されており,またこのことが同州に大地震の多発をもたらしている。

 過去の被害地震の教訓を生かして,カリフォルニア州政府は,これまでに地震防災対策に資する二つの法律を定めた。これらの法律は順次整備され,現在では予防を中心とした防災対策の要となっている。

 このうち,「アルキスト-プリオロ地震断層帯に関する法律(The Alquist-Priolo Earthquake Fault Zoning Act)」は,活断層の変位対策を定めている。一方,「地震ハザードマッピングに関する法律(Seismic Hazards Mapping Act)」は,地盤の液状化,震動起因の土砂災害対策などを規定している。

戻る