時報 vol.97 この間(7月~12月)のできごと

7月 地形図提供システムの実験店を追加
 国土地理院は、国土地理院の地形図を書店で出力して販売する実験を東京、仙台、京都の3ヵ所で行っていたが、より広く調査をするために、大分、福岡、広島、名古屋の4ヵ所を追加した。
 

7月2日~14日 ケニア測量地図学院運営指導調査
 1994年10月にスタートした国際協力事業団「ケニア測量地図学院」プロジェクトの運営指導調査団(団長:星埜参事官ほか3名)がケニアに派遣された。
 プロジェクトの目標達成状況の評価とそれにともなう提言、今後の日本側の測量地図学院への協力等についてケニア側と協議を行った。

 

7月5日 富士山北部に臨時GPS機動連続観測点を設置
 国土地理院は、昨年秋から急増した富士山直下の低周波地震に対応した観測を強化するため、平成13年3月に山梨県上九一色村にGPS機動連続観測点を設置したが、さらに山梨県富士吉田市上吉田にある山梨県環境科学研究所構内屋上に臨時のGPS機動連続観測点を1ヵ所設置した。

 

7月19日 平成13年度測量士・測量士補の合格者発表
 国土地理院は、平成13年度測量士・測量士補試験の合格者を発表した。合格者は、測量士338名、測量士補4,550名、合格率は測量士8.6%、測量士補23.0%であった。

 

7月23日 海岸昇降検知センター総会を開催
 海岸昇降検知センター第36回総会が、関東地方測量部において開催された。
 総会では、事務局より同センターの平成12年度事業実施報告と平成13年度事業実施計画について提案を行い、審議された。

 

7月25日 東海地域の地殻変動を公表
 国土地理院は、GPSの連続観測により、東海地域西部においてそれまでの傾向と異なる地殻変動を検出したことを公表した。
 この地域の地殻変動は、ほぼ一定に年間2~3cmの速度で北東の方向に動いていたが、3月から6月の約3ヶ月間で南東方向に最大約1cm弱の減速が見られた。

 

7月26日 ホームページによる地磁気測量成果の公開開始
 国土地理院は、インターネットを通じた測量成果の公開を推進しているが、地磁気測量の成果についても国土地理院測地部ホームページで公開を開始した。

 

7月26日 JICA集団研修「国家測量事業計画・管理」コースが終了
 JICA集団研修「国家測量事業計画・管理」コースの修了式が国土地理院大会議室にて行われ、矢野院長より各研修員に修了証書が授与された。

 

7月28日 持続可能な開発に関する世界サミット北東アジア地域政府間準備会合開催
 中国・北京市において、国連アジア太平洋経済社会委員会の主催による、「持続可能な開発に関する世界サミット北東アジア地域政府間準備会合」が開催され、日本政府代表団の一人として、国土地理院から、宇根地理調査部環境地理情報企画官が出席した。

 

7月29日 日中共同研究・国際運営委員会に出席
 中国・北京市にある科学技術省国家リモートセンシングセンターGIS研究所において、「環境・防災時空間情報システム基盤の日中共同研究」の国際運営委員会が開催され、国土地理院から明野情報普及課長ほか2名が出席した。

 

8月 航空レーザ測量用キャリブレーションサイトを設置
 国土地理院は、航空レーザ測量用機器のキャリブレーションサイト(性能試験を行う場所)をつくば市内に設置した。これを利用することにより、機器の機体取り付け時のずれや受光レンズによる歪みなどの誤差要因を補正し、それらの影響を除いてデータを論ずることが可能となった。

 

8月1日 数値地図2500(空間データ基盤)北海道-4、岩手、山形を刊行
 国土地理院は、「数値地図2500(空間データ基盤)」北海道-4(北海道の46市町の都市計画区域1,592km2)、岩手(岩手県の33市町村の同区域2,016km2)、山形(山形県の33市町の同区域984km2)のデータをCD-ROMに収録して刊行した。

 

8月4日・5日 GPS火山変動リモート観測装置を設置
 国土地理院は、平成8年3月の小噴火以来、火山活動が活発化している北海道駒ヶ岳および平成11年5月以降、高温状態が続いている樽前山の地殻変動を監視するため、8月4日に北海道駒ヶ岳の三等三角点「馬ノ背越」近傍に、8月5日に樽前山の三等三角点「樽前山」近傍にGPS火山変動リモート観測装置(REGMOS)を一基ずつ設置した。

 

8月6日~10日 第20回国際地図学会議に出席
 第20回国際地図学会議が中国の北京国際会議センターにおいて開催され、国土地理院から政春地理情報解析研究室長ほか2名が出席した。

 

8月6日~11日 夏休み子供企画「地図と友達になろう」を開設
 地図と測量の科学館は、夏休み子供企画として、地図記号クイズラリー・学習コーナー「地図と友達になろう」を開設した。期間中は、家族連れの小・中学生など333名が参加した。

 

8月6日~9月28日 「ふるさと発見地図作品展」を開催
 国土地理院は、地図と測量の科学館において、企画展「ふるさと発見地図作品展」を開催し、平成11年1月25日から平成13年1月1日まで実施された「ふるさと発見伊能忠敬道中地図コンテスト」での全優秀作品355点を紹介した。

 

8月7日 箱根山周辺の地殻変動を検出
 国土地理院は、GPS連続観測の結果から箱根山の膨張を示す地殻変動を検出し、発表した。この地殻変動は6月後半から始まり、箱根カルデラの中央火口丘をはさむ神奈川県箱根町と静岡県裾野市にある観測点間で約2cmの伸びが、箱根観測点では約2cmの隆起が観測された。

 

8月8日 「日本の山岳標高一覧」の標高などを訂正
 国土地理院は、ホームページで公表している「日本の山岳標高一覧-1003山-」のうち、信夫山、安達太良山(鉄山)、大峯山、開聞岳の最高地点の標高などを訂正した。

 

8月9日~12日 四国地方測量部で「地図展」を開催
 四国地方測量部は、地図展「伊能測量と近代測量」を高松市市民文化センターにおいて開催した。

 

8月16日~9月15日 平成13年度地理情報モニターを募集
 国土地理院は、平成13年度地理情報モニターを募集した。地理情報モニターからは、国土地理院が提供する地理情報の内容、提供方法などに関する意見・要望・提案を寄せていただいている。

 

8月20日 第144回地震予知連絡会を開催
 第144回地震予知連絡会が、関東地方測量部において開催され、東海地方の異常地殻変動の報告などが行われた。

 

8月23日~28日 第5回国際地形学会議で発表
 第5回国際地形学会議が、中央大学後楽園キャンパスにおいて開催された。国土地理院からは地理調査部、地理地殻活動研究センターを中心に16名が参加し、地殻変動や火山・山地の地形などの研究発表を行ったほか、国土地理院が作成した土地条件図、火山土地条件図などの各種主題図ならびに三宅島火山活動、地殻変動に関する調査結果を展示した。

 

8月31日 「地理情報標準(第1.2版)」を公開
 国土地理院は、「地理情報標準(第1.2版)」を公開した。「地理情報標準(第1.2版)」は、GISをより汎用性の高いシステムにすることやGISで扱われるデータの具体的な交換手法についてより明確化されたものになっている。

 

9月 地形図閲覧システムを更新
 国土地理院は、地形図閲覧システムのユーザーから寄せられた意見・要望やシステムの実運用から得られる経験を1年間の試験公開を通じてまとめた。この結果、新たにより高品質の画像データを整備することとなったが、整備完了までの期間もより便利に使えるよう、試験公開用のシステムを更新した。

 

9月1日 東海地震に備えた防災訓練を実施
 国土地理院は、政府の総合防災訓練および国土地理院総合防災訓練を実施した。国土地理院総合防災訓練は、東海地域の電子基準点データの異常を検出したとの想定で、電子基準点の点検調整・解析、切山基線場での辺長測量およびモバイルによる災害地理情報の把握を行うとともに、衛星回線による観測データの転送訓練を行った。

 

9月9日 国際VLBI事業(IVS)第6回評議委員会に出席
 国際VLBI事業(IVS)第6回評議委員会が、スペイン・バルセロナで開催され、国土地理院から松坂宇宙測地研究室長が評議員として出席した。委員会では、第2回総会を2002年2月4日から7日につくば国際会議場において国土地理院・通信総合研究所共催で開催することなどが決まった。

 

9月11日・12日 アジア太平洋GIS常置委員会WGのワークショップに出席
 アジア太平洋GIS常置委員会(PCGIAP)ワーキンググループのワークショップが、マレーシア・ペナン市において開催された。国土地理院からは、松坂宇宙測地研究室長が出席し、新しい測地系の紹介と南太平洋におけるGPS連続観測網について発表した。

 

9月18日~20日 第1回日中地震防災ワークショップに出席
 第1回日中地震防災ワークショップが、中国・北京市で開催された。日中双方から、地震および地震防災に関連する最新の研究成果について約40件の発表があり、国土地理院からは鷺谷地殻変動研究室主任研究員が「地殻変動の監視と地殻活動予測のためのモデリング」と題して発表を行った。

 

9月19日~21日 「建築新技術展/国際セミナー」に参加
 「建築新技術展/国際セミナー2001」が、池袋サンシャインシティにおいて開催された。
 国土地理院は、土木[GIS・マッピング]コーナーで、数値地図2500(空間データ基盤)のパソコンによるデモ、数値地図25000(地図画像、地名・公共施設)などのパネル展示を行った。国際セミナーでは、奥山地理情報システム推進室長が「GISのCALS/ECにおける役割と今後の展望」と題して発表した。

 

9月19日~22日 「Conet2001」へ出展
 「Conet2001~平成13年度建設機械と新工法展示会~」が、東京ビッグサイトにおいて開催され、約51,000名が入場した。
 国土地理院は、建設現場を支える情報化施工に関連し、無人化施工技術などにおいてGPSやGISを用いた普及促進に寄与することを目的に初出展した。

 

9月28日 平成14年度概算要求書を提出
~「電子国土」を基盤とした21世紀型測量行政の推進~

 国土交通省は、8月末日および9月末日に、平成14年度予算の概算要求を財務省に提出した。
 このうち国土地理院の要求額は、構造改革特別要求分を含めて、約117億円(対前年比0.93)。
 主な要求項目は、次のとおりである。
○リアルタイムGPS民間活用基盤の整備
○都市再生のための精密三次元空間データ利用技術の開発
○重点地域高精度三次元測量
○GIS基盤情報の整備
○巨大地震震源域の地震変動把握手法の高度化に関する研究

 

10月 GIS対応の新しい図式を検討
 国土地理院は、GISおよび世界測地系に対応した新しい図式(平成14年図式)の検討を開始した。

 

10月~1月 世界測地系移行に伴う説明会を開催
 国土地理院は、公共測量計画機関および作業機関に対して「世界測地系移行に伴う説明会」を開催し、(1)測量法の改正、(2)公共測量の諸手続、(3)公共測量の作業規程関係、(4)座標変換マニュアル関係、(5)公共測量水準点成果改定マニュアル関係について説明した。

 

10月1日 国土地理院の地図に世界測地系の緯度・経度を表示
 国土地理院は、測量法の改正によって、緯度・経度の基準を従来までの日本測地系に代えて世界測地系にした。国土地理院発行の2万5千分の1地形図、5万分の1地形図および20万分の1地勢図は、10月1日から順次世界測地系の緯度・経度を表示する。

 

10月1日 三大都市圏を含む22都府県について「数値地図50000(地図画像)」を提供
 国土地理院は、関東、北陸、中部、近畿地域の5万分の1地形図ディジタル画像をCD-ROMに収録した「数値地図50000(地図画像)」を提供した。

 

10月1日~4日 第5回光学3次元計測技術会議に出席
 第5回光学3次元計測技術会議が、オーストリア・ウィーンで開催された。今回の会議では、26カ国165人の参加と約90件の最新の研究成果の発表があり、国土地理院からは、政春地理情報解析研究室長が出席した。

 

10月3日~8日 「地図展2001ひろしま」を開催
 国土地理院ほか関係7団体の主催による、「地図展2001ひろしま」が、そごう広島店で開催され、約16,700名が入場した。"地図が語る広島のまち"をテーマに、広島の歴史と街の発展の様子が航空写真・地図などで紹介されたほか、アメリカで発見された伊能大図のうち、広島地方の図(複製)も展示された。

 

10月8日~14日 測量地図分野の日中協力の推進
 矢野院長ほか1名は、中国・国家測絵局を訪問し、両国機関の組織・機能・任務および地図・測量分野の現況について情報交換を行うとともに、測量・地図分野の多国間協力における連携、定期的な会議の開催、技術交流および共同プロジェクトなどの実施に向け意見交換を行った。

 

10月9日 JICA集団研修「地球環境地図作成技術」コースを開講
 国土地理院は、平成13年度JICA集団研修「地球環境地図作成技術:持続可能な開発のための地理情報システム」コースを開講した。本コースは、21世紀の地球環境の保護に必要とされる「地球地図の意義」、「地球環境プロジェクトの理解と認識」を深めてもらい、地球環境変動の監視や環境分析の基礎資料となる地球地図データ作成技術を習得することを目的としている。

 

10月9日・10日 つくば科学フェスティバル2001に出展
 「つくば科学フェスティバル2001」が、つくばカピオにおいて開催された。
 国土地理院は、「地図はともだち 地図と遊ぼう」をテーマとして、地図記号クイズ、余色立体図の展示、最新の測量機器(RTK-GPS)を用いた測量体験などを行った。

 

10月9日~11月16日 第2回「いばらき児童生徒地図作品展」を開催
 地図と測量の科学館は、企画展「いばらき児童生徒地図作品展」を開催した。

 

10月13日~1月14日 那珂川集中豪雨災害図を茨城県立自然博物館の企画展で展示
 第23回企画展「ヒヌマイトトンボに吹く風」が、ミュージアムパーク茨城県立自然博物館において開催された。国土地理院からは、「涸沼の自然と人々」コーナーに、「1998年8月集中豪雨に伴う水害状況 那珂川下流(茨城県)」を出展した。

 

10月20日 伊能忠敬銅像の建立
 江戸後期、実測により日本全図を作製した伊能忠敬の銅像が、測量開始200年を記念して、ゆかりの地である江東区深川の富岡八幡宮大鳥居わきに完成し、10月20日、除幕式が行われた。除幕式には、一般参加者1,400名のほか、矢野善章国土地理院長や俳優の加藤剛氏ら多数の来賓が出席した。

 

10月20日~11月5日 ペルー国マチュピチュ遺跡周辺の地すべりとエルサルバドル国地震崩壊の現地調査を実施
 地すべりによる崩壊の危機に瀕しているペルー国マチュピチュ遺跡周辺の地すべりと1月の地震により死者600名を越える大災害となったエルサルバドル国ラスコリナス大崩壊の現地調査が行われ、国土地理院からは星野地理第一課専門職が参加した。

 

10月22日 火山噴火予知連絡会の開催
 気象庁において定例の火山噴火予知連絡会が開催され、村上地殻変動研究室長ほか4名が出席した。
 国土地理院は、火山活動のそれぞれについて、地殻変動データの解析結果を提出した。なかでも、三宅島の活動について、現在もわずかながら収縮が継続しており、ガスの放出を反映していると考えられること、本年夏の箱根山の活動では、地下で圧力源の活動があったが、10月に入ってからはほぼ収まったように見えることなどを報告した。

 

10月22日 JICA集団研修「国家測量事業計画・管理」コース開講
 平成13年度JICA集団研修「国家測量事業計画・管理」コースが開講した。このコースは、昨年度より国家事業としての測量・地図作成全般について、計画および管理ができる中核的人材を養成することを目的として実施している。

 

10月25日・26日 ISO/TC211第13回総会に出席
 ISO/TC211第13回総会が、オーストラリア・アデレードで開催され、国土地理院からは稲葉近畿地方測量部長ほか3名が出席した。
 ISO/TC211は、設置より8年が経ち、当初から開始した標準化の作業項目のうち主要なものは国際標準化の目処がついた。これにともない、既存の5つの作業部会のうち4つを廃止するとともに、新たな作業項目に対応するため新しく4つの作業部会を設置するというISO/TC211始まって以来の大規模な組織再編が決議された。

 

10月25日・26日 「デジタルマップフェア2001」に参加
 東京都立産業貿易センターにおいて「デジタルマップフェア2001」が開催された。国土地理院は、「測量・地図相談コーナー」において、数値地図の複製・使用に関する承認や測量法改正に伴う数値地図関連の相談・質問を数多く受けた。
 併催した「ベンダーフォーラム」では、国土地理院からは鎌田測量指導課長が「測量法改正に伴なう測地成果2000について」、田中地図情報課長補佐が「数値地図25000(空間データ基盤)について」と題して、特別講演を行った。

 

10月31日 「数値地図25000(空間データ基盤)」の提供を開始
 国土地理院は、「地理情報標準」に準拠した、GIS基盤情報である「数値地図25000(空間データ基盤)」の提供を開始した。

 

11月 全国の地震活動について取りまとめ
 地震調査委員会では、全国の地震活動についての現状を総合的に評価・取りまとめたほか、活断層や海溝沿いに発生する地震の長期評価や強震動の評価が行われた。国土地理院は、主としてGPS連続観測による地殻変動のデータを資料として提出した。

 

11月1日 大阪市で地理情報標準普及セミナー開催
 国土地理院では、地方におけるGISの理解と導入の促進および的確な公共測量行政の推進を目的として、平成10年度から「GIS普及セミナー」を開催しており、平成13年度は全国19ヵ所で開催された。
 また、地理情報標準にテーマを絞った「地理情報標準普及セミナー」が、11月1日に大阪市において開催された。

 

11月5日~12月9日 第3回鳥取県児童生徒地域地図作品展の開催
 第3回鳥取県児童生徒地域地図作品展(主催:鳥取県地域社会研究会等)が開催された。12月8日には、鳥取県立博物館(鳥取市)において、優秀作品のプレゼンテーションと表彰式が行われた。国土地理院からは、星埜参事官、小荒井中国地方測量部長が出席し、優秀作品に国土地理院長賞、中国地方測量部長賞を授与した。

 

11月12日~16日 第9回世界湖沼会議に参加
 第9回世界湖沼会議が、滋賀県大津市のびわ湖ホール、大津プリンスホテルにおいて開催され、78ヶ国から約3,700名が参加した。
 国土地理院からは、関口地理第二課専門職、稲沢同調査第三係長が参加し、「国土地理院の湖沼湿原調査」と題したポスターによる発表で、湖沼湿原調査の概要を紹介した。

 

11月13日 国土地理院研究評価委員会開催
 国土地理院は、関東地方測量部において平成13年度第2回国土地理院研究評価委員会(委員長:東京理科大学高木幹雄教授)を開催した。
 委員会では、国土地理院が行っている研究開発課題のうち、平成12年度に終了した4課題について事後評価を受けた。

 

11月13日 九州の最高峰宮之浦岳の最高標高を改訂
 国土地理院は、宮之浦岳(鹿児島県屋久島)で測量を実施し、山頂部の岩峰に新しい最高地点を確認した。宮之浦岳の最高地点は、従来、一等三角点標高値(1,935m)としてきたが、その三角点位置から南東約5.3m離れた岩峰上となり、標高は1,936mであることがわかった。

 

11月19日 第145回地震予知連絡会開催
 第145回地震予知連絡会が、関東地方測量部において開催され、東海地域の異常地殻変動と同様の変動が過去にも繰り返されていた可能性が指摘された。

 

11月20日・21日 国土交通省国土技術研究会で発表
 平成13年度国土交通省国土技術研究会が、品川TOCにおいて開催された。
 国土地理院は、指定課題「先端技術を活用した災害等の国土管理技術に関する研究」、自由課題「『地理情報標準の運用に関する研究』の最新動向」、ポスターセッション「電子基準点を利用した位置情報サービスに関する調査研究」の3課題の発表を行った。

 

11月26日~30日 アジア太平洋GIS基盤常置委員会ワークショップ及び理事会に出席
 アジア太平洋GIS基盤常置委員会(PCGIAP)ワークショップ及び理事会が、中国で開催され、参事官ほか4名が出席した。

 

11月27日 近畿地方測量部で第20回測量技術講演会を開催
 国土地理院近畿地方測量部は、第20回測量技術講演会(共催:(社)日本測量協会関西支部)を大阪国際交流センターで開催した。この講演会は、新しい測量技術や測量に係るプロジェクトなどを近畿地区の測量関係者に広く紹介して、測量技術の向上に資する目的で、昭和57年から近畿管内で毎年開催している。

 

11月27日 日中共同研究の研究状況について報告
 「環境・防災時空間情報システム基盤」の日中共同研究・第6回国際運営会議が、京都市で開催され、国土地理院から谷岡地理情報部長ほか3名が出席した。

 

12月1日 数値地図50000(地図画像)の全国整備完了
 国土地理院は、5万分の1地形図ディジタル画像をCD-ROMに収録した「数値地図50000(地図画像)」『北海道I』、『北海道II』、『北海道III』、『北海道IV』、『青森』、『岩手』、『秋田』、『宮城・山形』、『新潟』、『福島』、『北方四島』の計11枚を刊行した。これで「数値地図50000(地図画像)」の全国整備が完了となった。

 

12月4日 東アフリカ諸国における地球地図整備の推進を要請
 東アフリカ地域開発のための資源地図作成センターの招きに応じ、国土交通省国際建設課の久保海外協力官と国土地理院の宇根環境地理情報企画官が、ケニア・ナイロビで開かれた同センターの年次会合において、東アフリカ諸国の国家地図作成機関の長に、未参加国の地球地図への参加と、参加国の地球地図データ整備の推進を要請した。

 

12月5日 都市圏活断層図を公表
 国土地理院は、1:25,000都市圏活断層図11面を公表した。同図は、阪神淡路大震災を契機に平成8年から順次作成しており、今回の公表により、89面となった。

 

12月5日~8日 リアルタイム測位で韓国と技術交流を実施
 松村衛星測地課長と都筑衛星情報係長が、韓国・水原(スウォン)市にある国立地理院を訪問し、国立地理院の職員約40名を前に、電子基準点を用いたリアルタイム測位等について講演を行った。

 

12月6日 富士山北東部で全磁力連続観測を開始
 国土地理院は、昨年秋から活発化した富士山直下の低周波地震に対応した観測を強化するため、富士山北東部に全磁力連続観測点を設置し、観測を開始した。

 

12月12日 富士山北部にGPS火山変動リモート観測装置を設置
 国土地理院は、昨年秋から急増した富士山直下の低周波地震に対応した観測を強化するため、3月に山梨県上九一色村に、7月に山梨県富士吉田市に臨時のGPS軌道連続観測点を設置したが、さらに富士山中腹部の山梨県南都留郡鳴沢村(御庭御中道上部自然林)にGPS火山変動リモート観測装置(REGMOS)を1基設置した。

 

12月12日 測量の日実行委員会を開催
 測量の日実行委員会(国土地理院ほか関係7団体)が(社)日本測量協会において開催された。会議では、平成14年度に実施する「測量の日」の主な関連行事として、測量と地図のフェスティバル2002および全国測量技術大会2002について、基本方針、開催概要等の検討が行われ、了承された。

 

12月13日 JICA集団研修「地球環境地図作成技術」コースが閉講
 平成13年度JICA集団研修「地球環境地図作成技術:持続可能な開発のための地理情報システム」コースが閉講した。

 

12月19日 地理情報標準推進委員会を開催
 国土地理院は、グランドヒル市ヶ谷(東京)で、平成13年度第2回地理情報標準推進委員会を開催した。
 会議では、国際標準化機構(ISO)の動向、関係省庁や国土地理院が行っている標準に関連する取り組み、地理情報標準更新の検討状況や地理情報標準に基づく空間データ交換実験および空間データ品質評価実験の進捗状況について報告がなされた。

 

12月20日 新基本図に関する検討委員会を開催
 国土地理院では、新しい体裁による新基本図の検討を行ってきた。そこで、国土地理院内部での検討結果をもとに、有識者10名(行政、教育、業界等)からなる検討委員会を設置し、(財)日本地図センターにおいて、第1回検討委員会を開催した。
 委員会では、試作として作成した見本図をもとに、紙の大きさ、色数、整飾関係、文字の書体、記号などについて議論がなされた。

 

12月21日 第23回ISO/TC211国内委員会に出席
 第23回ISO/TC211国内委員会が、(財)日本測量調査技術協会において開催され、国土地理院から矢口企画部長ほか4名が出席した。会議では、平成13年10月にオーストラリア・アデレードで行われたISO/TC211第13回総会についての報告が行われたほか、委員会原案、国際規格案および新規作業項目の提案などについて議論が交わされた。

 

12月24日 平成14年度政府予算案が決定
 平成14年度政府予算案が、閣議決定された。国土地理院の予算総額は116億円で、平成13年度当初予算に対し11億円減、対前年度0.916倍となった。一方、12月20日に閣議決定された平成13年度第2次補正予算案では、電子国土位置情報基盤の整備のための経費として34億円が計上された。

 

12月28日 測量法施行令の一部を改正
 改正された測量法(「測量法及び水路業務法の一部を改正する法律」平成13年法律第53号)を受けて、改正測量法施行令(「測量法施行令の一部を改正する政令」平成13年政令第432号)が12月25日に制定(閣議決定)され、12月28日に公布された。改正測量法施行令は、改正測量法とともに4月1日から施行される。