平成19年度新規概算要求主要事項について

平成19年度概算要求の概要

1.地理空間情報の高度な活用の推進

位置の基準となる共通の白地図等を整備する

基盤地図情報整備

 地理空間情報を高度に活用できる社会がますます広がりを見せているが、そのために必要な基盤的な地理空間情報の整備・更新・提供は未だ十分ではない。そこで、国、地方公共団体等、様々な整備主体が作成した大縮尺地図データを集約・シームレス化して、道路などの基盤地図情報を効率的に整備するとともに、その提供のためのシステムを構築する。

高密度標高データ整備

 防災、環境、気象、農業、電気通信等の各分野での地理情報利活用の拡大に資するため、2万5千分1地形図等高線データから10mメッシュ標高データの整備を行い、提供する。

2.大規模災害への備えの強化

災害リスクを分かりやすく伝えられる地理空間情報を充実させる

精密3D電子基盤情報の整備

 全国の主な都市域の人口集中地区(DID)を対象に、防災、減災対策、都市づくり、景観解析等に必要な新たな基盤情報として、新しい測量技術である航空レーザ測量による5mメッシュの精密な三次元標高データを整備する。

地殻変動解析を高度化し、その用途を広げる

緊急防災情報としての震源断層即時推定手法の開発に関する研究

 電子基準点データをもとに、内陸・近海において発生したM7以上の地震を対象に地震発生後10分以内に自動震源断層モデル推定を行ない、震源域と津波波源域に関する防災情報の即時提供が可能となるように、リアルタイムデータ処理手法の開発を行う。

3.宇宙技術を用いた地球観測基盤の確立

宇宙技術を利用して測量を高度化・効率化する

干渉SARを用いた最適な水準測量の調査

 精密水準測量は、高精度に地盤の上下変動を把握できることから、国・地方自治体では、地盤沈下地域の状況を把握する調査に利用している。今年、1月に打ち上げられた陸域観測技術衛星「だいち」を利用した干渉SAR技術を精密水準測量と組み合わせて高さの基準の維持管理や地盤沈下地域の把握へ効果的に利用するための調査検討を行う。