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地理院ホーム  > 研究開発  > 地理地殻活動研究センター  > 地殻変動研究室  > 平成28年(2016年)熊本地震に伴う断層近傍の地殻変動 最終更新日:2016年4月28日

平成28年(2016年)熊本地震に伴う断層近傍の地殻変動

MAI法によって明らかとなった断層近傍の地殻変動

作成:2016年4月28日 English version of this page

地殻変動の特徴

平成28年(2016年)4月16日に熊本でM7.3の地震が発生しました.日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータに,MAI(Multiple Aperture Interferometry)法を適用した結果,標準的なSAR干渉解析では捉えられなかった断層近傍の地面の動きが明らかになりました.
  • 衛星進行方向成分(ほぼ南北方向)の地面の動きを調べたところ,布田川断層帯を境に,北側では北向き〔赤色〕,南側では逆に南向き〔青色〕の変位が生じていることが分かりました.変位量は最大約1mです.観測された地面の動きは,右横ずれの断層運動によって生じるものと調和的です.
  • 布田川断層帯に沿って,北側と南側の変位の向きが急変しています.一部の領域では,地表地震断層の出現が報告されています.
  • 布田川断層帯に沿った変位の向きの変化は,西側では日奈久断層帯との接合部付近まで,東側では阿蘇カルデラの西縁から数km東までほぼ直線状に見られます.
  • 日奈久断層帯に沿って,変位の急変帯が見られます.日奈久断層帯の北部でも断層の動きが生じたことが示唆されます.

なお,MAI法は現在研究開発中の技術であり,計測値に数10cm程度の誤差が含まれることがあります.今回の結果はその速報であり,今後,さらに研究を進展させ,より詳細な分析を行っていく予定です.

[PNG: 1.33MB]

図1 青色の領域は衛星進行方向(ほぼ南)の水平変動を,赤色の領域は衛星進行方向と逆向きの水平変動(ほぼ北)を示しています.

ピクセルオフセット解析からも同様の結果が得られています.

地震概要(本震)

地震発生日時 2016年4月16日 01時25分
震源位置 32.7545°N,130.7630°E 深さ:12km
(気象庁,2016年4月28日現在)
マグニチュード 7.3(気象庁,2016年4月28日現在)
死者 49人(2016年4月28日現在)

分析に使用した人工衛星

日本の地球観測衛星 「だいち2号」(ALOS-2)

広報・講演・論文発表

国土地理院(2016)、平成28年(2016年)熊本地震、地震予知連絡会会報、第96巻、557-589. [PDF: 18.8MB]

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主任研究官 小林 知勝(KOBAYASHI Tomokazu) 029-864-6156
研究官    森下 遊(MORISHITA Yu) 029-864-6549
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