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地理院ホーム  > 研究開発  > 地理地殻活動研究センター  > 地殻変動研究室  > 2013年10月15日フィリピン・ボホール島の地震に伴う地殻変動  > SAR画像を用いたピクセルオフセット法 最終更新日:2013年11月20日

SAR画像を用いたピクセルオフセット法

作成:2013年11月20日 English version of this page

ピクセルオフセット法について

ピクセルオフセット法は,2枚のSAR強度画像の精密な位置合わせにより,地表変位を計測する技術です.この方法では,2つの画像の位置合わせ(マッチング)をして残った局所的な位置ずれを地表変位とみなして計測します.
図は,地震前と後のSAR画像で,上の2枚は,1回目の観測による画像(Master画像)と2回目の観測による画像(Slave画像)を示します.ここでは説明のため、地表に描かれたアルファベットを撮影する場合の模式図としています.撮影時には、衛星の位置・方向が同一とならないため、撮影された2つの画像内の画素(ピクセル)の位置は全体的にずれています。この全体的な画像の位置ずれ(オフセット)を直すことを画像マッチングといいます。「K」の文字で示したように、地殻変動等により部分的に画像のずれがあった場合、画像マッチング後に位置ずれが残ります。この位置ずれを,実際の地表変位として計測します.1ピクセル以下の分解能で画像マッチングを行うことにより,約10数cm~数10cmの精度で計測が可能です.

ピクセルオフセット法の説明
ピクセルオフセット法の説明(Tobita et al., 2001を一部改変)

【長所】
  1. 変位2成分の計測が可能: 衛星-地表視線方向の変位量(レンジ成分)と衛星進行方向の水平変位量(アジマス成分).
  2. 大規模(メートル規模)変位の計測が可能
(※ 標準的なInSAR解析では、1)レンジ成分のみ計測可能, 2)変位勾配が大きいと計測不能(ALOSの場合,約2cm/mが限界))

【短所】
  1. 計測精度が低い: 10数cmから数10cm程度
  2. 空間分解能が低い: 数100mから1km程度
(※ 標準的なInSAR解析では、 1)計測精度は数cm, 2)空間分解能は数10m)

参考文献

  • 小林知勝,飛田幹男,村上亮,局所的大変位を伴う地殻変動計測のためのピクセルオフセット解析,測地学会誌,57,71-81,2011.
  • T. Kobayashi, Y. Takada, M. Furuya, M. Murakami, Locations and types of ruptures involved in the 2008 Sichuan Earthquake inferred from SAR image matching, Geophys. Res. Lett. 36, L07302, doi:10.1029/2008GL036907, 2009.
  • S. Fujiwara, M. Tobita, H. P. Sato, S. Ozawa, H. Une, M. Korai, H. Nakai, M. Fujiwara, H. Yarai, T. Nishimura, and F. Hayashi, Satellite Data Gives Snapshot of the 2005 Pakistan Earthquake, EOS, Transactions, American Geophysical Union, 87, 73-77, 2006.
  • M. Tobita, M. Murakami, H. Nakagawa, H. Yarai, S. Fujiwara, and P. A. Rosen, 3-D surface deformation of the 2000 Usu eruption measured by matching of SAR images, Geophys. Res. Lett., 28, 4291-4294, 2001.
  • 飛田幹男,藤原智,村上亮,中川弘之,P. A. Rosen,干渉SARのための高精度画像マッチング,日本測地学会誌,第45巻,297-314,1999.

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