平成30年北海道胆振東部地震の震源断層モデル(暫定)
作成:2018年9月12日、更新:2018年10月22日 English version of this page
概要平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震について、SAR(だいち2号)およびGNSSで観測された地殻変動を基に震源断層モデル(矩形断層一様滑り)を推定しました。特徴は以下の通りです。 震源断層モデル(矩形断層一様滑りモデル)
矩形は震源断層モデルを地表に投影した位置で、太い実線が断層上端。
※電子基準点「厚真(950132)」および「門別(950141)」については、現地調査で観測点の傾斜が確認されており、また、局所的な変動の影響を受けた可能性もある。そのため、断層モデルの推定にあたっては、これらの電子基準点の傾斜測定結果から推定された見かけの変位を補正し、さらに重みを軽くしている。 なお、観測値に加えた補正は以下のとおり。 厚真(950132) 方位角290° 補正量19mm 門別(950141) 方位角20° 補正量14mm 図2. 干渉SAR画像の(左)観測値、(中)計算値、(右)残差 [PNG:4.4MB] 解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA 本成果は、地震予知連絡会SAR解析ワーキンググループの活動を通して得られたものです。 表1. 震源断層モデルパラメータ
※矩形断層1枚での推定結果。位置は断層の左上端を示す。( )内は誤差を示す(1σ)。 図3. 概念図[PNG:1.1MB] 【地理院地図3Dでの表示】NEW!! 画像をクリックすると、地理院地図3Dが表示されます。 推定された震源断層面(茶色矩形)と震源(青丸)との位置関係を3次元で見ることができます。震源断層が非常に高角であった様子がよく分かります。なお、政府の地震調査委員会では、地震活動の分布や地殻変動などから、今回の地震の震源断層上端の深さは15km程度にまで達している可能性があると評価しています。 ※表示される震源分布データは、気象庁が大学や国立研究開発法人防災科学技術研究所等の関係機関から地震観測データの提供を受け、文部科学省と協力して整理したものです。(平成30年9月6日に北海道で発生した地震後、同年9月11日までに起きたマグニチュード2以上の地震の震源分布データ) 3Dモデルの操作方法 マウスで見る視点を操作することができます。 マウス左ボタンを押しながらドラッグで「回転」 マウス右ボタンを押しながらドラッグで「上下左右に移動」 マウスホイールで「拡大/縮小」 地理院地図の3D機能の説明 地震概要
SAR解析に使用した人工衛星日本の地球観測衛星 「だいち2号」(ALOS-2)
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(研究成果利用状況の把握のため、引用先・転載先をお知らせいただければ幸甚です。) 問い合わせ先(震源断層モデルに関すること)
地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室 室長 矢来 博司 (直通 029-864-6925) 主任研究官 小林 知勝 (直通 029-864-6156) (電子基準点に関すること) 測地観測センター 地殻監視課長 真野 宏邦 (直通 029-864-5971) 地震調査官 黒石 裕樹 (直通 029-864-4825) |