地理地殻活動研究センター談話会 講演要旨集(2008年)

1.GEONETの新しい解析戦略(第4版)
畑中 雄樹(宇宙測地研究室)

前回に引き続きGEONETの新たな解析戦略の構築のための検討を行い、参照系の実現方法を決定するとともに、新たな解析戦略を用いて過去のデータを再解析し、従来の解析結果(F2解)との比較を行った。IGS05系を実現するため、固定点の座標値を日本周辺のIGS点からの取り付けにより求めると同時に、衛星軌道情報を変換して用いる手法を構築した。これにより、固定点の日々の変動が考慮されたグローバル座標系における解を得ることができるようになった。F2解には顕著な網スケールの年周変化が見られ、しかもその振幅は近年増大し20ppb程度に達している。新たな解析戦略による解(F3解)は、その振幅はほぼ2~3ppb以内で安定している。また、基線ベクトル解の分散は、F2解に比べて平均で 25%程度小さくなっている。

2.地形分類情報の災害脆弱性評価への利活用
小荒井 衛(地理情報解析研究室)

土地条件図の地形分類データを用いて、過去の大地震における建物災害との関連性解析を行った。その結果、谷底平野・氾濫原、海岸平野・三角州、自然堤防等で建物被害が大きかった。自然堤防で建物被害率が高い、谷底平野の方が海岸平野よりも建物被害率が高いなど、地形分類だけでは説明出来ない被害状況もあり、ボーリングデータのGIS解析を行ったところ、軟弱地盤が厚く堆積する浅層地質のところでの建物被害が大きいことが明らかになった。
磐梯火山を対象に火山土地条件図の地形分類データとハザードマップの想定被害域、及び50mDEMと10mDEMの自動地形分類結果との重ね合わせ解析を行った。ハザードマップの想定災害域は、火山土地条件図の地形分類結果から読み取れる過去の災害実績とおおむね調和的であること、50mDEMは大局的な地形分類の結果と対応が良いこと、10mDEMではより細かい微地形を反映した地形単位が抽出可能であることがわかった。


日時:  平成20年12月5日(金) 15時15分~17時00分
場所:  国土地理院 地理地殻活動研究センター セミナー室(本館6階)

1.月の地図作成
神谷 泉(地理情報解析研究室)

月周回衛星「かぐや(SELENE)」に搭載されたレーザ高度計(LALT)のデータを使用し、月の地形図を作成した。月の地形図では、円形のクレーターが目立つ。クレーターのイメージを保つため、地図投影法は、正角図法から選定することにした。月は地球から見える表側と見えない裏側にはっきり分かれるので、月の表側と裏側の平射図法の組み合わせとした。なお、それ以外の投影法の地形図も作成した。配色は、宇宙空間をイメージした黒を背景とし、月が丸く幻想的に浮かび上がるように淡い色の段彩と、暗い灰色の等高線を組み合わせ、最終的には地形による陰影をつけた。また、余色立体図を試作した。

2. 航空レーザ測量のDEMを用いた斜面崩壊調査および危険斜面の分類について
岩橋 純子(地理情報解析研究室)

大縮尺の地形データを用いた斜面崩壊調査およびGISによる地形解析について、岩手宮城内陸地震の事例(栗駒ダム西方、県道42号線周辺)や新潟県出雲崎地域の豪雨による崩壊の事例を紹介する。また、地形のスケール問題にスポットをあて、より効果的な危険斜面の分類手法について可能性を探った例を紹介する。


日時:  平成20年11月7日(金) 15時15分~17時00分
場所:  国土地理院 地理地殻活動研究センター セミナー室(本館6階)

1.Wavelet modeling of the gravity field over Japan
(日本における重力場のウェーブレットモデリング)
Isabelle Panet(宇宙測地研究室客員研究員)
※IGN(フランス国立地理院)所属:英語による発表

Knowing the geoid over Japan is essential for many geodetical and geophysical applications. Because of the tectonics settings of the area, important geoid undulations occur in a wide range of spatial scales and make the computation of the geoid a complex task. Absolute accuracy in the long and medium wavelengths is requested, and can be achieved by a proper combination of satellite gravity information with the high resolution surface gravity data, considering their respective error characteristics. Here we show how to realize such a combination in a flexible way using spherical wavelets. The gravity potential is expressed as a linear combination of wavelets, which coefficients are obtained by least squares adjustment of the datasets. In order to handle large systems, we apply a domain decomposition method. First, we define sub-domains as subsets of wavelets. Based on the localization properties of the wavelets in space and frequency, we define hierarchical sub-domains of wavelets at different scales. For each scale, blocks sub-domains are defined using a tailored spatial splitting of the area. Secondly, we approximate the sub-domains normals by introducing local approximations of the wavelets at different scales, which leads to build locally averaged values of the data. Finally, we solve the system iteratively. We first validate the method on a synthetic example, and then apply it over Japan, where we combine the EIGEN-GL04S spherical harmonics model with a local combined gravity model from land, marine and KMS 2002 altimetry derived gravity data. We obtain a hybrid spherical harmonics/wavelet model of the geoid at about 12 km resolution, underlining discrepancies between the two input models. This information can be used to improve the datasets, and the method may be applied again to derive an improved hybrid model.

2.地中レーダ探査の適用例
-地球科学と考古学分野を中心に-
中埜 貴元(地理情報解析研究室)

地中レーダ(Ground-penetrating Radar)探査は、電磁パルスを用いた物理探査手法のひとつで、非破壊での探査が可能で、空間分解能が高く、機動性、反復性などにも優れている。今回の発表は、話題提供として、この地中レーダ探査の原理について簡単に説明し、地球科学や考古学分野における適用例を紹介する。現在では主に、路面下の埋設物・空洞調査のほか、地質調査、断層調査、氷床・地下水・凍土計測、遺跡調査、地雷探査等に利用されているが、多くの分野で研究段階にあり、今後の発展が期待されている。今回の発表を受けて、地理院の業務にも貢献できる可能性を議論できればと考えている。

日時:  平成20年10月3日(金) 15時15分~17時00分
場所:  国土地理院 地理地殻活動研究センターセミナー室(本館6階)

1.2008年岩手・宮城内陸地震の余効変動シミュレーション
水藤 尚(地殻変動研究室)

大地震発生後に観測されるゆっくりとした地殻変動は、余効変動と呼ばれている。この余効変動のメカニズムには、地震時の断層もしくはその周辺領域でのゆっくりとしたすべりが進行する余効すべり、粘弾性媒質中での応力緩和に起因する粘性緩和、本震に伴う圧力変化に呼応して流体が時間遅れを伴って移動する間隙弾性緩和等がある。本発表では、2008年岩手・宮城内陸地震を例として、これらの余効変動メカニズムの中で、長期間(数十年~)に渡って変動が継続する粘性緩和による変動を、数値計算により見積もり、今後どの程度の変動量が予想されるかについて報告する。そして、過去の観測・研究成果を踏まえて、こうした長期間継続する余効変動を検出するには、長期間に渡る繰り返しの測地観測が重要であること、そして、そのデータの蓄積が内陸地震の発生過程の解明につながるであろうことを報告する。

2.気象庁数値予報モデルデータの宇宙測地技術への利用について
石本 正芳(宇宙測地研究室)

GNSS等の宇宙測地技術において、水蒸気に起因する誤差は消去することが難しい誤差要因の一つである。現在のGEONETの定常解析においても、水蒸気による誤差と思われる見かけ上の変位がたびたび観測され、地殻変動を監視する上で問題となっている。 そこで、宇宙測地技術における位置情報の高度化を図るため、このような水蒸気の影響の定量的な評価やそれによる誤差の低減について手法開発に取り組んでいる。まず、一つの方法として、宇宙測地技術とは独立に得られ、かつ日本全域をカバーしている気象庁数値予報モデルの利用可能性の調査を行っている。本報告では、2008年7月24日に発生した岩手県中部の地震前後を例に、数値予報モデルから水蒸気による測位誤差を見積もり、GEONETの定常解析に見られる変位と比較する。さらに、数値予報モデルを用いた水蒸気による誤差の推定手法について議論する。

3.地図投影法-基礎の基礎からガウス-クリューゲル図法の数式まで
政春 尋志(地理地殻活動研究センター長)

地図投影法は測地系とともに座標系を決めるものであり、地理空間情報を扱う上で必須の基礎知識といえよう。しかし、地図投影についての伝統的な解説は、その基礎的概念を誤解させるものが多く、これが理解を困難にしている。そこで、本発表では最初に地図投影法の基礎について入門的解説を試みる。キーワードは「地図投影は投影ではない!」。 ガウス-クリューゲル図法はUTMや平面直角座標系に使われており、実用的に非常に重要なものであるが、この複雑な数式の導出を理解している者は少数であろう。クリューゲル1912年論文の第一公式に基づき、その導出を解説する。この公式は通常用いられている経度差のべき級数展開式に比べて、[1]適用可能範囲が極めて広い、[2]プログラミングしやすい、[3]理論が理解しやすい、というメリットがある。

日時:  平成20年9月5日(金) 15時15分~17時00分
場所:  国土地理院 地理地殻活動研究センターセミナー室(本館6階)

1.平成19年新潟県中越沖地震の震源断層モデルと西山丘陵西部で観測された褶曲構造の成長
西村 卓也(地殻変動研究室)

2007年7月16日に発生した新潟県中越沖地震(M6.8)に伴う地殻変動は、GEONET、「だいち」による干渉SAR、水準測量によって明瞭に捉えられた。中越沖地震の震源域の大部分は海底下にあったため、地殻変動のみから断層の傾斜方向を決めることは難しかった。
本発表では、東傾斜・西傾斜のどちらの断層モデルでも概ね地殻変動を説明できることを示すとともに最終結果として東京大学地震研究所の海底地震計を用いた余震分布に合わせた断層面を仮定して、滑り分布を推定した断層モデルについて報告する。また、干渉SAR解析から明らかになった西山丘陵西部での褶曲構造の成長を表す隆起とその成因に対する考察についても報告する。

2.地球測地観測システム「GGOS2020戦略」に見る測地基準系の世界動向
高島 和宏(宇宙測地研究室)

日本に世界測地系が導入されたのは、2002年4月の測地成果2000(JGD2000)への成果改訂である。このJGD2000構築には、国際地球基準座標系ITRF94を採用し、元期を1997.0としている。元期から現在まで11年以上が経過し、地殻変動等による歪みの影響が出てきており、セミダイナミック測地系の導入により、元期に整合させる手法が進められている。一方、国際的には、ITRF94以降、ITRF96,97,2000,2005と改訂されてきており、ITRF94と2005での原点の移動量は、約26mmとなっている。また、国際測地学協会IAGの下で地球測地観測システムGGOSが立ち上がり、将来への提言として 「GGOS2020」がとりまとめられようとしている。その提言内に将来の測地基準系についても言及されており、その内容について紹介する。

日時:  平成20年7月10日(木) 15時15分~17時00分
場所:  国土地理院 地理地殻活動研究センターセミナー室(本館6階)

1.「だいち」により捉えられた中国・四川省の地震に伴う地殻変動
矢来 博司(地殻変動研究室)

中国・四川省で2008年5月12日に発生したMw7.9の地震について、「だいち」PALSARデータの干渉解析を実施した。現時点では震源域の一部が未観測であるが、これまでに捉えられた変動の特徴について報告する。四川盆地と山岳地域との境界領域に位置する龍門山断層帯付近に地殻変動集中帯が見られる。地殻変動はこの変動集中帯をはさんで南北に100kmを超える範囲に及び、 おおむね、震源域をはさんで四川盆地側では衛星に近づく向き、 山地側では衛星から遠ざかる向きに変位している。震源域近傍では干渉が失われており,大きな地殻変動が生じたと考えられる。震源断層は北東側では高角で横ずれ成分が大きく、南西側ではやや低角で逆断層成分が卓越すると考えられる。

2.地球観測情報のインフラGlobal Earth Observation Grid (GEO Grid)に関する研究開発の紹介
岩男 弘毅 (独立行政法人 産業技術総合研究所 情報技術研究部門 地球観測グリッド研究グループ)

産総研では2005年度より、グリッド技術を用いて地球観測衛星データなどの大規模アーカイブおよびその高度処理を行い、分散環境下の各種観測データや地理情報システムデータと統融合した処理・解析を、さまざまな応用分野でユーザが手軽に扱えることを目指した地球観測情報のインフラGlobal Earth Observation Grid (GEO Grid)に関する研究開発を推進している。GEO Grid上でのOGCの定める標準化技術に準拠した高性能WebGISミドルウエア開発、衛星データの高度処理に関する研究、防災・地質、環境、ビジネス分野への応用、産業基盤となる社会基盤データの整備に関する研究について紹介する。

日時:  平成20年6月25日(水) 15時15分~17時00分
場所:  国土地理院 地理地殻活動研究センターセミナー室(本館6階)

1. 巨大地震の余効変動に伴う重力変化を計算する新しい手法とGRACE衛星による検出可能性について
田中 愛幸(測地部測地基準課)

プレート境界で発生する大地震に伴う余効変動のメカニズムを特定することは、大地震の発生サイクルをモデル化する上で重要である。本研究は、GPSと衛星重力データを合わせて利用することで、より確かな余効変動のメカニズムを推定する手法を開発したものである。この手法では、地球の曲率と自己重力、沈みこむプレートによる粘性の水平不均質の影響を同時に考慮することができる。この研究の結果、粘性の比較的低い日本のような地域では、GRACE重力衛星の活用が期待できることが確かめられた。

2.合成開口レーダー干渉処理手法の高度化とスマトラ沖地震の解析結果
飛田 幹男(地殻変動研究室長)

地殻変動計測を目的としたSAR干渉処理では,地殻変動以外の要因による干渉位相(干渉縞)を取り除くのが主要な工程である。ALOSの正確な軌道情報を用いても消えない残存縞について調査を行ない,解析アルゴリズムの高精度化を行った結果,残存縞が有意に軽減されることがわかった。 新アルゴリズムを用いた2007年と2008年のスマトラ島沖の地震の解析結果・断層モデル・破壊域の推定結果などについて報告する。残存縞が軽減されると,干渉処理の高速・自動化が促進されるとともに,離島での地殻変動計測等にも有効である。

日時:  平成20年3月14日(金) 15時15分~17時00分
場所:  国土地理院 地理地殻活動研究センターセミナー室(本館6階)

1.カラコルムとヒンズークシュでの最近の1世紀における氷河の変動
~衛星画像と探検時代の地図の比較によれば、カラコルムの巨大氷河は衰退傾向にあるが後退はしていない~
長岡 正利(地理情報解析研究室客員研究員)

地球温暖化の中で世界的に氷河の後退が報じられ、それが普遍的なことのように考えられているが、カラコラム山脈においては、[1]1世紀ほど前の探検家や登山隊による地図、[2]30年ほど前のソ連邦地図、[3]現代の衛星画像の比較によって、次のことが判明した。・ カラコルムにおける大規模な氷河のうち、その詳しい地図が利用できるいずれの氷河でも、ここ1世紀ほどの間は氷河先端は同じ位置にあった。(その点で、他地域で言われている「氷河後退」現象とは大きく異なる。)・ ただし、いずれの氷河も、後退はしていないものの、厚さ減少など、衰退(氷河全体としての氷の量は減少)傾向にある。

2.重力衛星GRACEデータからの地域的重力場決定の試みーその3
~日本のジオイド決定への応用~
黒石 裕樹(宇宙測地研究室長)

最新の日本の重力ジオイド・モデルJGEOID2004に含まれる長波長誤差を低減し、その絶対精度を改良するため、重力衛星GRACEのデータから日本周辺の地域的長波長重力場を高精度決定する研究を行っている。2005年に取得されたGRACE観測データを用いて全球重力場を復元し、得られた重力場モデルを参照として日本周辺の重力ジオイドの改良を試みた。全国のGPS/水準法によるジオイド高データと比較すると、改良されたモデルでは、日本列島主要部において有意な精度向上が認められ、独自の平均海面に基づいて標高決定された離島域では海面力学高の形状に対応する較差がみられ、長波長成分における信頼度の改善が確認された。 日時:  平成20年2月8日(金) 15時15分~17時00分 場所:  国土地理院 地理地殻活動研究センターセミナー室(本館6階)

1-1.RINEX version 3フォーマットのためのRINEX圧縮プログラム
畑中 雄樹(宇宙測地研究室)

国際GNSSサービスでは15年ほど前からRINEX ver. 2形式がGPS観測データの共通形式として使用されてきたが、GPS近代化や新規GNSSへ対応するため、新たなver. 3形式への移行が検討されている。RINEX「観測」ファイル形式はサイズが大きいため、実際にはその圧縮形式(Compact RIENX形式)が用いられてきたが、今回これをRINEX ver. 3用に改良し、圧縮・解凍ツールも新旧の形式に対応させる改良を行った。本改良は、RINEX ver. 3の普及の一助となり、近代化GPSおよびGNSSデータ利用の利便性の向上を通じ、今後のGNSS時代参入のための貢献の一つとなることが期待される。

1-2.GEONETルーチン解析戦略第4版構築に向けての検討
畑中 雄樹(宇宙測地研究室)

現行のGEONETのルーチン解析システムの運用開始から4年が経過し、その問題点が明らかになると共に、GPS解析技術の進歩やソフトウエアの性能向上によって、更なる精度・性能向上の可能性が見えてきた。そこで、解析システムのプロトタイプを作成し、大気遅延勾配推定の導入、位相特性モデルの更新、分散・統合処理戦略の見直し、座標系実現方法の改良等の効果を評価しつつ、新たな解析戦略の構築に向けて検討を行っている。これまでの検討で、現在のGEONETルーチン解にみられる広域的な年周変化や大気ノイズの減少などの効果が確認されている。

2.衛星測位システムシミュレータを用いた測位シミュレーションについて
宗包 浩志(宇宙測地研究室)

準天頂衛星等の次世代測位衛星システムを測量に利用した際の測位精度を予測するため「衛星測位システムシミュレータ」を開発した。開発したシミュレータを用い、まず気象擾乱下において、GPSのみで測位した場合、GPSと準天頂衛星を組み合わせて測位した場合のそれぞれについて測位シミュレーションを行った。その結果、気象擾乱下では10km程度の短基線においても5cmに達する測位誤差が生じうること、また遮蔽が大きい観測点では準天頂衛星の観測を組み入れることで測量精度の改善が期待できることが分かった。次に、全国のGEONET観測点について、GPSで測位した場合の6年間に渡る測位シミュレーションを行った。その結果、座標時系列の上下成分に4mmに達するみかけの年周誤差が含まれることが分かった。

3.中越沖地震の被害と地形との関連性について
小荒井 衛(地理情報解析研究室長)

平成19年(2007年)新潟県中越沖地震の被害調査の報告を行う。特に、斜面崩壊、建物被害、液状化などの地盤変状を中心に報告し、被害と地形・地質との関連性について考察する。今回建物被害等の集中した地域は、軟弱な地盤の上にのる砂丘の縁の部分であり、砂丘地盤の側方流動等に伴い建物被害が集中して発生した。また、宅地造成地における地盤災害等についても報告する。干渉SAR画像により西山丘陵西部で小木ノ城背斜の成長と考えられる隆起が確認されたが、隆起域周辺の被害状況についても調査したので報告する。

日時:  平成20年1月18日(金) 15時15分~17時00分
場所:  国土地理院 地理地殻活動研究センターセミナー室(本館6階)