沿岸海域基礎調査 調査方法
沿岸海域基礎調査
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調査方法1.沿岸部土地条件調査沿岸部土地条件調査は、沿岸の陸域について地形及び地質の調査を行う作業です。
空中写真を判読して地形分類を行い、この結果をもとに予察図を作成します。 予察結果は、簡易ボーリング・露頭調査等の現地調査で確認します。 簡易ボーリング 露頭調査 各種機関・施設等は、その位置や形状について収集した資料・空中写真判読結果に基づいて現地調査で確認します。 以上の調査結果から、国土地理院発行の1:25,000地形図を基図にして土地条件図原稿図を作成します。 2.海岸基準点測量 海岸基準点測量は、海域の調査に伴う船位測定に必要な基準点を沿岸部に設置するための測量です。
海岸基準点は、船位測定に使用する電波測位機の電波の到達距離・交会角・調査海域の見通しを考慮して、一級基準点測量(公共測量作業規程)により新設します。 船位測定は、電波測位システム(トライスポンダー542型)を使用した二距離交会法やDGPSにより行います。 電波測位機 アンテナ 3.資料収集 沿岸海域地形図・沿岸海域土地条件図及び報告書を作成するために必要な種々の資料・文献等を関係機関で収集します。
4.海底地形調査 海底地形調査は、海底地形が把握できるよう計画測線を設定し、この計画測線に沿って音響測深機を搭載した調査船を航行させて実施します。
測線計画は、海図等の既存資料を参考に立案します。 基本測線方向を海岸線にほぼ直交する測線とし、これに直交する測線を補助測線とします。 この計画測線に沿って調査船を航行させ、音響測深機による深浅測量を行います。 音響測深機(PS-20R) 得られた測深記録に潮位補正、吃水量補正、音速補正(バーチェック補正)等の各補正を行い、東京湾平均海面(T.P.)を基準面として、水深を読み取り、水深読み取り図を作成します。 測深記録 調査海域内に水位観測所を設置し、期間中、潮位観測を行います。また、既設験潮場の記録がある場合は、国土地理院水準点と関連付けて使用します。 簡易験潮器 作成した水深読み取り図から、また海図等の既存資料を参考にしながら、基本的には全て1mごとの等深線を描画し、海底地形図とします。 5.底質調査 調査海域において、2km2に1点の割合で航跡上に採泥点を選定し、採泥器を使用して海底の堆積物採取を行います。
採泥器(スミス・マッキンタイヤ型) 採取した試料は現地で指触法による土性の判定、標準土色帳による色調判別、臭気の有無、含有物の鑑定等を行います。 また、採取試料についてはJIS A 1204の規定に基づいて粒度分析を行い、粒径加積曲線から中央粒径値を求め、WentWorthの粒径区分を基に堆積物を決定します。 6.地層探査 地層探査は、音波探査機により海底の地質構造を探査するものです。
まず、音波探査機から海底に向けて音波(周波数:数百Hz~数kHz)を発信します。 これらの音波は、海底下の地層間の境界面で反射する特性があります。 この性質を利用し、地層間の境界面からの反射波を受信して、海底の地層断面についての連続記録を得ます。 反射波の強弱を反映した記録紙上の濃淡模様、あるいは線状模様を解析することによって、地質構造や層相(構成物質)を明らかにします。 音波探査機は、海底地形調査と同時に、同一測線において使用します。 浅層部を対象に高解像力を得る磁歪振動式音波探査機(ソノストレーター、SP-3型)と深部を対象とする高出力の放電式音波探査機(スパーカー、NE-19C型)を併用します。
また、一部の調査においては、放電式音波探査記録をデジタル収納装置(DELPH2システム)を用いて収録しています。 音波探査記録の解析は、反射面及び層相の相違によるパターンの分析に基づいて行います。 まず、沖積層基底の深度及び沖積層の分布を把握し、測線毎に地質断面図を作成します。 次に、これを基準にして海底表層及び海底下の地層の地質学的及び土質工学的な性格を明らかにします。 これらの情報を盛込んで、沿岸海域土地条件図の各種素図を作成します。 お問い合わせ先内容に関するお問い合わせは「お問い合わせフォーム」からお願いします。
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