月周回衛星「かぐや(SELENE)」のレーザ高度計による月全球観測データを用いた地形図の公開について

従来データの10倍、約600万点の月の高さを計測

発表日時:2008年04月09日(水) 15時30分

自然科学研究機構 国立天文台
国土交通省 国土地理院
宇宙航空研究開発機構
 
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月周回衛星「かぐや(SELENE)」に搭載されたレーザ高度計(LALT)により、月の全球をカバーするデータを取得しました。国立天文台がこのデータを解析し、国土地理院が月の地形図を作成しました。
 

レーザ高度計は、従来の月探査衛星で探査されていない極域(緯度75度以上)を含む月全球の高さの情報を取得しています。また、高さの計測点数は従来のモデル(ULCN 2005)より1桁以上上回り、3月末で600万点以上となっています。今回発表した地形図は、レーザ高度計の2週間分(1,127,392点)の観測データの処理を行い、作成したものです。今後、さらに観測を続ければ、計測点の密度が向上し、より詳細な高さのモデルが構築され、より高精度な地形図が作成されると期待されます。

 また、レーザ高度計による月全球の高さの情報はその他の科学ミッションにも不可欠な情報であり、例えばリレー衛星中継器/衛星電波源(RSAT/VRAD)ミッションから得られる重力場データと合わせて地殻厚さの変化など月内部構造についての情報を得るのに用いることができると期待されます。

 
※ULCN 2005 (Unified Lunar Control Network 2005)とは、クレメンタイン月探査(1994)の画像から写真測量で決定した基準点など総計272,931点の月標高基準点網です。2005年に米国地質調査所で作製されました。
 

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