第11回全国児童生徒地図優秀作品展 ごあいさつ(連絡協議会)

ごあいさつ(連絡協議会長)

全国児童生徒地図優秀作品展生徒の新しい門出にあたって

平成10年から始められた全国児童生徒地図優秀作品展も今回で11回を迎えることとなりました。国土地理院がまだ建設省の時代、菊地光昭元地図測量相談官が全国で地図関係の作品展を開催している団体を調査し、各団体の担当者へ熱心な依頼をされ、大変なご苦労をされながら、筑波の「地図と測量の科学館」で第1回目を開催してから11年目を迎えることになりました。

今年は、「地図と測量の科学館」だけでなく千代田区霞が関の「国土交通省庁舎」や渋谷区「NHKふれあいホールギャラリー」でも作品を展示できることになり、より一層多くの方々に子供たちの素晴らしい作品を見ていただく機会を増やすことが出来ましたことを心より嬉しく思います。また、全国の優秀作品の中から、文部科学大臣賞、国土交通大臣賞、全国児童生徒地図作品展連絡協議会長賞を選び、表彰させていただくことも出来ました。

 

OECDの学力調査(PISA調査)や全国学力・学習状況調査により、日本の子供たちは単純な計算や漢字表記、知識理解型の学習には強いが、物事を分析してとらえたり、様々なものを応用してまとめたりする学習に弱点があることが明らかになってきています。しかし、この作品展に応募してくる子供たちの作品を見ると、実に詳しく地域や物事を観察して自分毎としてとらえ、ユニークな自分なりの視点で分析し様々な手法を講じながら、分かりやすく表現しようとしています。子供たちが作り上げた地図はその豊かな発想や感性に驚かされるものばかりです。

全国の教師が地図を生かして物事をとらえていくことやとらえたものを分かりやすく表現する素晴らしい方法として地図があることなどを社会科や総合的な学習でぜひ指導して欲しいものです。そして、子供たちが多面的に物事を見取る力や様々な角度から物事を分析してとらえる力、自分なりに方法を駆使して粘り強く正確に表現する力を身に付けていくことを心より願っています。

 

平成20年1月

全国児童生徒地図作品展連絡協議会

会長 増田 滋