衛星レーダー画像で津波遡上域が検出できる原理

人工衛星レーダー画像を利用して、津波遡上域を検出する方法について、わかりやすく解説します。

1.陸地など粗い表面でのレーダー電波の散乱

地面や建物、植物などにレーダーの電波をあてると、表面がざらざらしているのでいろいろな方向に反射されます(散乱といいます)。そのうち、衛星の方向に帰ってくる電波を受信して、強さに応じた画像を作ります。

2.水面など滑らかな表面での電波の散乱

ところが、水面は鏡のように平らなので、電波はすべて衛星と反対方向に反射されてしまいますので、衛星の方向に帰ってくる電波がありません。 衛星で受信された電波の強さを、地震前と地震後で比較し、極端に弱くなっていれば、そこには滑らかな面が新たにできたと考えられます。画像の赤い部分はそのようにして推定された津波遡上域と思われる場所です。 滑らかな面ができる原因は、(1)津波による人工構造物・植生・地表面の破壊、(2)海岸浸食による海面化、(3)断層運動による地盤沈下による海面化 等が考えられます。

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