平成23年10月の地殻変動について
発表日時:平成23年11月9日(水)16時00分
全国の地殻変動概況
別紙1~7は、国土地理院が全国に展開しているGPS連続観測網の観測結果から求めた平成23年9月下旬から平成23年10月下旬の1ヶ月間の地殻変動を表したものです。平成23年3月11日東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。
この期間に発生した地震のうち、10月5日の富山県東部の地震に伴う地殻変動が見られます。房総半島では、10月26日頃から活発化した房総半島沖でのプレート間ゆっくり滑り(スロースリップ)現象に伴う地殻変動が見られます。また、火山周辺では、硫黄島内、霧島山周辺及び桜島周辺で地殻変動が見られます。
この期間に発生した地震のうち、10月5日の富山県東部の地震に伴う地殻変動が見られます。房総半島では、10月26日頃から活発化した房総半島沖でのプレート間ゆっくり滑り(スロースリップ)現象に伴う地殻変動が見られます。また、火山周辺では、硫黄島内、霧島山周辺及び桜島周辺で地殻変動が見られます。
トピックス
- 3月11日14時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0、最大震度7)後の余効変動が東日本の広い範囲で継続していますが、その変動速度は小さくなってきています。(別紙8)
- 10月5日18時59分頃に発生した富山県東部の地震(M5.4、最大震度3)に伴う小さな地殻変動が見られます。(別紙9)
- 房総半島において、10月26日頃から定常的な地殻変動とは異なる変動(非定常地殻変動)が検出されました。房総半島沖のプレート境界で地震動を伴わないゆっくりとした断層すべりが起きたと推定されます。(別紙10)
- 硫黄島内の「硫黄島1」、「M硫黄島」では、2010年5月以降隆起の傾向が見られ、2010年11月中旬頃から12月にかけて一時鈍化しましたが、2011年1月末頃から隆起速度が増加し、その状態が現在も続いています。「硫黄島2」では大きな南向きの地殻変動が見られます。(別紙11)
- 霧島山周辺では、「えびの」-「牧園」、「牧園」-「都城2」、「都城2」-「えびの」の基線において、新燃岳で1月26日に噴火が発生して以降、2月1日まで顕著な縮みの傾向が見られましたが、その後伸びの傾向が見られます。(別紙12)
- 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む基線で、長期的な伸びの傾向が見られていますが、一部の基線ではこの夏頃から伸びが鈍化しています。桜島島内の「鹿児島2」-「桜島」、「鹿児島3」-「桜島」基線では、2010年初め頃から伸びの傾向が見られていましたが、その傾向が2010年7月頃から鈍化し、「鹿児島3」-「桜島」ではわずかに縮みの傾向が見られます。(別紙13)
補足説明
- 全国の1年間の地殻変動(平成22年10月下旬から平成23年10月下旬まで、別紙14)からは、以下のような傾向が見られます。
- 北海道から中日本までの広い範囲で、東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動が見られます。
- 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
別紙一覧
- 別紙8 東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動
- 別紙9 富山県東部の地震(10月5日 M5.4)に伴う地殻変動 [PDF形式:977KB]
- 別紙10 房総半島での非定常な地殻変動(10月26日頃~)
- 別紙11 硫黄島の地殻変動 [PDF形式:436KB]
- 別紙12 霧島山周辺の地殻変動 [PDF形式:514KB]
- 別紙13 桜島周辺の地殻変動 [PDF形式:690KB]
- 別紙14 全国の地殻変動(水平)-1年間- [PDF形式:842KB]
問い合わせ先
国土交通省国土地理院 〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 地理地殻活動研究センター 地理地殻活動総括研究官 今給黎哲郎 (029-864-2477) 測地観測センター 地殻監視課長 吉池 健 (029-864-5971) 測地観測センター 地震調査官 矢来 博司 (029-864-4825)