国際的な測地観測への参画
国土地理院では、多国間の国際的な協働事業及び協働観測を行っています。
国際VLBI事業(IVS)
国際VLBI事業(IVS)とは
IVS(International VLBI Service for Geodesy and Astrometry)は、VLBIの国際観測や技術開発の推進を目的として、1999年に国際測地学協会(IAG)の下に設立された国際協働事業です。参加機関の国際協力に基づき、全世界のVLBI観測網の運用、解析を行い、観測局の精密な位置や地球回転の変化など、地球の運動に関する様々な情報を提供しています。
国際VLBI観測網
国土地理院の貢献
国土地理院は、設立時からIVSに参加し、VLBIの観測局、相関局及び解析センターとして、世界共通の位置の基準の構築や地球の自転変化の監視などに貢献しています。 IVSは、地域連携の強化を目的に下部組織としてアジア・オセアニアVLBIグループ(AOV:Asia-Oceania VLBI Group for Geodesy and Astrometry)を2014年に設立しました。国土地理院は、その設立を主導するとともに、地域でのVLBI観測実施や幹事を務めるなど積極的にAOVに関与しています。
国土地理院のVLBI観測局
国土地理院は、石岡測地観測局(茨城県石岡市)においてVLBI観測を行っています。
石岡測地観測局のVLBIアンテナ
国際GNSS事業(IGS)とは
IGS(International GNSS Service)は、地球科学の研究等へGNSSデータとプロダクトを提供するために、1994年に国際測地学協会(IAG)の下に設立された国際協働事業です。参加機関の国際協力に基づき、全世界のGNSS観測網の維持、データ流通、解析を行い、正確な位置を測るために必要となるGNSSの精密軌道情報など、GNSSに関する様々な情報を提供しています。
国土地理院は、1994年の設立時からIGSに参加して取組を支援しています。
国土地理院は、1994年の設立時からIGSに参加して取組を支援しています。
国土地理院の貢献
- IGS解析センターとして、GNSS衛星の高精度な軌道情報を算出し、IGSに対して定常的にプロダクトを提供しています。
- 8局のIGS観測局を運用して、IGSに対して定常的にGNSSデータを提供しています。
- IGS地域準解析センターとして、日本とその周辺のGNSSデータの解析を行っています。
- IGSの作業部会やパイロットプロジェクトに参加して国土地理院の成果の普及等に努めています。
- MGEX(Multi-GNSS Experiment)パイロットプロジェクト
- RTS(Real-time Service)
- TIGA(Tide Gauge)ワーキンググループ
- GNSS性能監視IGMA-IGS共同試験プロジェクト
IGS解析センターの運営
国土地理院は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、2023年12月からIGSの解析センターに参画しています。
解析センターは、IGSの認定を受けて、GNSS衛星の高精度な軌道情報(精密暦)の算出を担当する機関であり、国土地理院・JAXAのほか、北米、欧州、中国の合計13機関が参画しています。
国際的に広く活用されている精密暦であるIGS暦は、IGSが各解析センターの精密暦を統合処理することで算出されており、国土地理院・JAXAも解析センターの1つとしてこの一翼を担っています。
IGSの統合処理に用いられる、国土地理院・JAXAの精密暦はGNSS精密暦提供サービスからダウンロードできます。
解析センターは、IGSの認定を受けて、GNSS衛星の高精度な軌道情報(精密暦)の算出を担当する機関であり、国土地理院・JAXAのほか、北米、欧州、中国の合計13機関が参画しています。
国際的に広く活用されている精密暦であるIGS暦は、IGSが各解析センターの精密暦を統合処理することで算出されており、国土地理院・JAXAも解析センターの1つとしてこの一翼を担っています。
IGSの統合処理に用いられる、国土地理院・JAXAの精密暦はGNSS精密暦提供サービスからダウンロードできます。
国土地理院のIGS観測局
国土地理院は現在、8局のIGS観測局を運用しています。