GISの利用促進に関する研究技術開発

 パソコンの普及に代表される社会の情報化のなかで、GISに対する期待が高まっている。しかし、データ整備等には大きな予算を要し、GISを行政等の業務効率化に有効に活用するためのノウハウが重要である。国土地理院としても、数値地図整備やクリアリングハウスの構築等を通じてインフラとしての空間データ基盤整備に努めるとともに、GISの標準化やその利用促進に関する研究技術開発を行っている。

(1)GISの標準化 平成7年度~
 ISO/TC211(地理情報の標準化)の国際規格の策定に、日本も参加しており、国際標準化機構(ISO)の専門委員会では、「品質評価手順」と「適合性と検証」の二つの作業項目を担当している。このため、国内委員会を設置し、担当している作業項目及びすべての作業項目についても委員会の原案を検討している。
 一方、国際標準策定の動向を見据えつつ、これをさらに具体化した国内標準を策定するために、建設省官民連帯共同研究制度により民間企業50社あまりの参加を得てGISの標準化に関する調査を実施し、「空間データ交換標準」及び「空間データ製品仕様書作成マニュアル」からなる「地理情報標準(第一版)」を作成した。この標準は、だれもがGISを活用できるようになるための前提条件を整備する意義を有している。引き続いて、これらの運用に関する調査検討を行っている。

(2)GISの応用、利用促進 平成9年度~
 GISの普及を図るため、その基盤として利用システムの開発等に取り組んでいる。このため、1国土地理院の整備した数値地図のGISにおける利用促進を目的とした、民間企業との協力による、数値地図データを用いたGISアプリケーションソフトウェアの開発、2空間情報と時系列情報の統合化に関する研究開発、等を実施している。