平成20年(2008年)9月11日09時21分ころの十勝沖の地震に伴う地殻変動(第2報)
発表日時:平成20年9月19日(金)14時00分
概要
9月11日に北海道十勝沖で発生した地震(M7.1、最大震度5弱)に伴う地殻変動を電子基準点で検出しました。この地殻変動から、北北東-南南西走向の西北西に傾き下がる逆断層(すべり量約1.2m)が動いたと推定されます。
国土地理院では、今後もGPS連続観測により地殻変動の監視を続けていきます。
- 地殻変動は、最大約2cm 9月11日9時21分ころ北海道十勝沖で発生した地震(M7.1、最大震度5弱)に伴う地殻変動は、北海道えりも町に設置されている電子基準点「えりも2」で東南東方向へ約2cmでした。
- 推定された震源断層モデル この地殻変動から、震源断層モデルを推定しました。断層の形状を長方形と考えて推定したところ、断層は、ほぼ北北東-南南西方向にのびており、断層面は、長さ約18km、幅約33km、上端部の深さが約17kmで、東南東から西北西に傾き下がっている(傾斜角14度)ことが分かりました。
すべり量は約1.2mで、西北西側が東南東側にのり上げるような逆断層運動が起こったと考えられ、余震域ともほぼ対応します。この断層運動から導かれるモーメントマグニチュードは約6.8となりました。
この断層モデルは、9月12日の地震調査委員会における「発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。」という評価と整合します。
国土地理院では、今後もGPS連続観測により地殻変動の監視を続けていきます。
資料
- 資料-1 地殻変動ベクトル図と成分変化グラフ (PDF形式:654KB)
- 資料-2 震源断層モデルと地殻変動(電子基準点データとの比較) (PDF形式:696KB)
- 資料-3 震源断層モデルの概念図 (PDF形式:951KB)
問い合わせ先
〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 国土交通省国土地理院 <GPS連続観測について> 測地観測センター 地殻監視課長 飯村 友三郎 TEL 029-864-5971(直通) <地殻変動・断層モデルについて> 地理地殻活動研究センター 地理地殻活動総括研究官 今給黎 哲郎 TEL 029-864-2477(直通) 地殻変動研究室長 飛田 幹男 TEL 029-864-6925(直通)