鳥取県西部地震に伴う地殻変動-断層をはさんで25cmの上下変動を観測-

発表日時:2000年12月22日(金) 14時00分

建設省国土地理院(院長  城処求行)は、鳥取県西部地震(平成12年10月6日 M7.3)に伴う地殻の上下変動を把握するため、平成12年10月から12月にかけて、鳥取県米子市から岡山県高梁市まで(約102km)及び島根県玉湯町から鳥取県赤碕町まで(約68km)の2路線で水準測量を実施しました。地震発生前の平成元年及び平成11年の水準測量の結果と比較したところ、路線上で最も隆起したのは鳥取県日野町の水準点2232(資料参照)で隆起量は約11cm、最も沈降したのは日野町の水準点2235で沈降量は約14cmであり、断層の両側では最大約25cmのずれが生じました。

国土地理院では、地震直後に電子基準点で観測された水平変動に基づいて断層の存在を推定し、そのモデルを求めました。(平成12年10月7日記者発表)

断層モデルからは、断層の南東端付近において南西側にある日野町の水準点2234で隆起、反対側にある水準点2235では逆に沈降が発生することが予想されますが、今回の水準測量の結果により、こうした地殻変動が実際に起きていたことが初めて確認されました。

また、米子市付近の水準点2253を中心としてやや隆起が見られますが、これも断層モデルと一致しています。

このように、水準測量結果から地震のメカニズムを詳細に検討するための重要なデータが得られました。また、この測量に基づいて水準点標高値を改訂する予定です。

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地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長
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