火山災害対策GIS用データの提供

The data of Geographic Information System for mitigation of volcanic disaster

-有珠山GIS用データを例に-
-the case of Mt. Usu-

地理調査部 小田切聡子・吉岡 貢・小西博美
Geographic Department Satoko Odagiri, Mitsugu Yoshioka and Hiromi Konishi

要旨

 国土地理院では、近年火山活動が活発化した、岩手山、有珠山、三宅島の3火山について、火山災害対策GIS用データを作成した。これは、火山災害対策に必要な地理情報を、GISソフトウエアで扱えるように構築したデータである。その一例である「有珠山GIS用データ」には、2万5千分1地形図等の基図情報や、公共施設、地名、基準点、火山土地条件図等の主題情報に加えて、空中写真判読による地形変化情報や、観測による地殻変動情報といった火山活動状況を把握するための情報も含まれている。
 データ提供においては、有珠山災害対策関係機関へCD-Rで配布したほか、国土地理院ホームページに「有珠山GIS用データ」のフリーダウンロードサイトを新設し、広く一般ユーザへの情報提供も行った。
 データ利用としては、GISソフトウエアを用いて、データの重ね合わせ表示、情報の検索・集計・計測等を行うことにより、様々な情報を統括的に把握することが容易に出来る。また、地元行政機関を始め、様々な機関が保有・収集している詳細な情報を加えることにより、住民避難計画や火山活動把握のための観測体制の整備等、様々な対策立案の支援が可能になる。