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国土地理院時報(2003,100集)目次

特集:国土地理院の測量事業・技術の変遷

 

測地測量と地殻変動研究
 国土地理院が実施してきた測量には,高さを測る水準測量,水平位置を測る測量(三角測量,三辺測量など),GPSをはじめとする宇宙技術を用いた三次元測量,地球の形を測るジオイド測量,地球の性質を測る地磁気・重力測量などがある。一等水準測量,一等三角測量は1883(明治16)年に,全国地磁気測量・全国重力測量は戦後まもなく開始された。その後,各測量において新しい機器や技術が開発されてきたが,中でも光波測距儀の開発,宇宙測地技術の導入は測量方法を変える大きな技術革新となった。
 日本は世界でも有数の地震・火山国であり,多くの災害を被ってきた。これらの予知は防災上極めて重要な問題であり,社会の要望は極めて高い。地殻変動研究は,蓄積された水準測量や三角・三辺測量等の観測データを用いて行われてきたが,VLBIやGPSの導入により大規模なものでは大陸間の移動,小規模なものでは数km内で集中して発生する局所的な地殻変動も捉えることが可能となった。また,最近では干渉SARによる面的な地殻変動検出の研究が行われている。
 第1部から第4部では,測量の種類別に,戦後の測量事業,技術開発,測量方法の変遷を述べる。第5部では,観測データから捉えられた地殻変動や地殻変動検出手法の変遷について述べる。
 

地図作成と基本情報調査
 戦後,地図作成手法は平板測量から写真測量へ,編集方式も鉛筆からペン,スクライブ,ディジタル方式へと変化し,地図整備においては2千5百分の1から500万分の1まで様々な縮尺の地図を作成してきた。第二次基本測量長期計画に基づき始まった2万5千分の1地形図の全国整備は一部離島を除き1983年に完了し,以後この地形図が5万分の1地形図に代わる新たな基本図となった。その後の地形図修正作業は,定期的な修正測量により行われていたが,基本情報調査の導入により,時間精度を重視した主要地物の常時修正が取り入れられるようになった。さらに,リモートセンシングデータの利用に関する研究が行われ,実用化が期待されている。
 1995年の兵庫県南部地震を機に,社会基盤としての国土空間データ基盤とこれを利用する地理情報システム(GIS)の重要性が認識され,政府においてGISに関する本格的な取り組みが始まった。国土地理院では,全国の都市計画区域を対象に地図情報レベル2500,全国を対象に地図情報レベル25000のGIS基盤情報の整備を行い,「数値地図2500(空間データ基盤)」「数値地図25000(空間データ基盤)」を刊行した。
 第1部では,図化,編集・製図及びリモートセンシングの活用の地図作成工程における技術開発の変遷を追う。第2部では,基本図等の整備事業について,その種類ごとに整理する。第3部では基本情報調査について,第4部ではナショナルアトラスの作成と改訂について述べる。
 

地理調査
 国土計画,地域計画等の諸政策の立案,策定するうえで国土の実態に関する情報を整備し,活用することは極めて重要である。特に近年は,行政及び国民の情報に対するニーズも多様化し,国土に関する各種地理情報の体系的な整備・データベース化が求められている。国土地理院では,土地利用調査,土地条件調査,湖沼調査,沿岸海域基礎調査などの基礎調査を行い、各種主題図の作成を行ってきた。また,1995年の兵庫県南部地震を機に都市圏活断層図の作成を開始した。さらに,地球環境の持続的利用を目的として、地球環境問題の科学的解明,環境政策の立案と実行をするために,地球環境に関する情報を全地球共通の地理情報として整備することが国際的に必要視され,1998年には地球地図整備を開始,2000年には地球地図第1版を公開した。
 地理調査は,その目的により,風水害・火山噴火災害・地震災害等の防止に資するための防災地理調査,土地利用・地誌等国土の社会的・歴史的・文化的特性を一覧するための社会地理調査,環境・景観に着目し,それらを保全するための環境地理調査に分けることができる。第1部から第3部では,戦後実施された各種地理調査について,第4部では地球地図整備の背景と取組について述べる。
 

地理情報の管理提供
 国土地理院には,明治以来の地図・測量関係情報が蓄積されている。これらの大部分は測量法に基づき公開されており,地形図,各種の主題図は刊行により,空中写真,旧版地図,基準点成果等は閲覧・謄抄本交付により提供されている。国土に関する地理情報は公共測量や行政,教育,調査・研究から日常生活に至る幅広い分野で利用され,地理情報に対する国民のニーズも多様化し,情報提供体制の多様化,迅速化が望まれてきた。
 数値情報の整備は1970年代に始まり,数値情報の適切な管理,ニーズに即したデータ提供を行うために研究開発を行い1987年には測量成果の管理提供システムが開発され,その後の改良により,提供業務の効率化を図ってきた。また,近年ではインターネットを利用した各種データ提供や地形図閲覧システムの試験公開など,地理情報の提供において大きな変化があった。
 第1部では国土地理院が所有している測量成果等の種類と管理方法,第2部では地図・空中写真複製に関する技術開発等,第3部では国土数値情報,細密数値情報,基本図数値情報等の数値情報の整備,第4部では測量成果等の提供形態と技術開発について述べる。
 

  全文
   はじめに[PDF:204KB]
   第1編-1[PDF:953KB] -2[1234KB] -3[1089KB] -4[1068KB] -5[2577KB] -6[1349KB] -7[711KB]
   第2編[PDF:614KB]
   第3編[PDF:1463KB]
   第4編[PDF:492KB]
   参考文献[PDF:306KB]



 

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