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基盤地図情報とは

地理空間情報活用推進基本法の概要

1. はじめに
 
「地理空間情報活用推進基本法」(平成19年法律第63号。以下「基本法」という。)が平成19年5月23日に成立、5月30日に公布、8月29日に施行されました。
また、基本法では基盤地図情報の項目及び満たすべき基準に関する国土交通省令(以下「省令」という。)及び基盤地図情報の整備に係る技術上の基準(国土交通省告示として制定。以下「告示」という。)を定めることが規定されています。

2.基本法の背景・経緯
 
基本法が成立することになった背景として、我が国に世界測地系が導入されたことが契機となったことが挙げられます。高精度の骨格的地図情報の整備・提供及び高精度の衛星測位の利用が国家としての喫緊の課題となっています。その一方で正確・新鮮な地図データの提供が十分でないなどの地理情報システムや衛星測位をめぐる課題も多いといった現状がある中、平成 14年(2002年)に我が国に世界測地系が導入されました。これを契機として、地理情報システムと衛星測位の組み合わせによる施策の相乗効果が期待できるようになり、地理空間情報の活用施策を強力に推進することが可能となりました。
 我が国への世界測地系導入を契機とした地理情報システム及び衛星測位に係る施策の総合的かつ計画的な実施に対する強い期待に対して、その基本的事項を国会の意思として定めることにより政府の政策運営の方向付けや推進を行うこととし、以下のような経緯により基本法の成立となりました。
 
  ・平成17年5月 自民党「測位・地理情報システムに関する合同部会」発足
・平成17年8月 自民党マニフェストに基本法案の国会提出を明記
・平成18年4月 議員立法により基本法提出の検討を確認
・平成18年6月 与党より基本法案提出(第164回国会)、継続審議
・平成18年12月 臨時国会(第165回国会)において継続審議
・平成19年5月 通常国会(第166回国会)において成立

3.基本法の構成
 
基本法は、総則、地理空間情報活用推進基本計画等、基本的施策の3つの章から構成され、それぞれの章では以下のことが規定されています。

  ・総則・・・目的、定義、基本理念、国・地方公共団体の責務等を規定
・地理空間情報活用推進基本計画等・・・基本計画策定・公表、政府の連携体制整備等について規定
・基本的施策・・・地理情報システムと衛星測位に共通の施策、地理情報システムに係る施策及び衛星測位に係る施策

4.基本法の目的
 
基本法では、現在及び将来の国民が安心して豊かな生活を営むことができる経済社会を実現する上で地理空間情報を高度に活用することを推進することが極めて重要であることにかんがみ、地理空間情報の活用の推進に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、地理空間情報の活用の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、地理空間情報の活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的としています。(基本法第 1条)

5.基本法の基本理念
 
基本法では、以下のような事項をその理念として謳っています。(基本法第3条)
  ・体制整備などの施策の総合的・体系的な実施
・地理情報システム・衛星測位の両施策による地理空間情報の高度活用の環境を整備
・行政運営の効率化及びその機能の高度化に寄与
・国民の利便性の向上に寄与
・経済社会の活力の向上及び持続的な発展に寄与
・個人の権利利益、国の安全等に配慮
 

基本法の基本理念 


『地理空間情報活用推進基本法、省令・告示』(http://www.gsi.go.jp/kihonhou.html)
 

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基盤地図情報とは

  基本法では、地理空間情報及び基盤地図情報を定義するとともに、省令及び告示を定めることが規定されています。

 ・地理空間情報の定義
 
(基本法第2条1項)
「地理空間情報」とは、第1号の情報又は同号及び第2号の情報からなる情報をいう。
1 空間上の特定の地点又は区域の位置を示す情報(当該情報に係る時点に関する情報を含む。以下「位置情報」という。)
2 前号の情報に関連付けられた情報
 
 ・基盤地図情報の定義~省令の規定
 
(基本法第2条3項)
地理空間情報のうち、電子地図上における地理空間情報の位置を定めるための基準となる測量の基準点、海岸線、公共施設の境界線、行政区画その他の国土交通省令で定めるものの位置情報(国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)であって電磁的方式により記録されたもの
 
 ・告示の規定
 
(基本法第16条第1項)
国は、基盤地図情報の共用を推進することにより地理情報システムの普及を図るため、基盤地図情報の整備に係る技術上の基準を定めるものとする。

 ・省令の公布及び施行
 
 基本法では、基盤地図情報の項目及びその位置情報が満たすべき基準に関する省令を規定することになっており、「地理空間情報活用推進基本法第2条第3項の基盤地図情報に係る項目及び基盤地図情報が満たすべき基準に関する省令」(平成 19年8月29日、国土交通省令第78号)として、基本法施行と同日の平成19年8月29日に公布及び施行しました。

 ・基盤地図情報の特徴
 
 電子地図上における全国の地物の位置基準を定め
 対象項目は国土交通省令で定める地図項目
 全国を継ぎ目無く結合
 JIS規格又は国際規格に適合
 インターネットによる無償で提供
 誰でもがGISのベースマップとして使用できる共通の白地図



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基盤地図情報の項目とは

 国土交通省令で定めるものの位置情報として、以下の13項目が定められました。
1)測量の基準点
 測量法(昭和24年法律第188号)第10条第1項に規定する永久標識又は水路業務法施行規則(昭和25年運輸省令第55号)第1条に規定する恒久標識

2)海岸線
 海面が最高水面に達した時の陸地と海面との境界

3)公共施設の境界線(道路区域界)
 道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路にあっては道路法施行規則(昭和27年建設省令第25号)第4条の2第4項第1号の道路の区域の境界線、道路法第2条第1項に規定する以外の道路にあってはこれに準ずる境界線

4)公共施設の境界線(河川区域界)
 河川法(昭和39年法律第167号)第6条第1項の河川区域又は同法第100条第1項の規定により指定された河川について準用される同法第6条第1項の区域及びその他の公共の用に供する水路である河川の境界線

5)行政区画の境界線及び代表点
 行政区画(都道府県及び市区町村)の境界線とその代表点

6)道路縁
 道路法第2条第1項に規定する道路にあっては道路構造令(昭和45年政令第320号)第2条に定める歩道、自転車道、自転車歩行者道、車道、中央帯、路肩、軌道敷、交通島又は植樹帯で構成される道路の部分の最も外側の線(植樹帯が最も外側にある場合にあっては、当該植樹帯を除いた道路の部分の最も外側の線をいう。)、道路法第2条第1項に規定する以外の道路にあってはこれに準ずる線

7)河川堤防の表法肩の法線
 河川法第3条第2項の河川管理施設である堤防の表法肩の法線

8)軌道の中心線
 軌道法(大正10年法律第76号)第1条第1項に規定する軌道及び同法が準用される軌道に準ずべきもの並びに鉄道事業法(昭和61年法律第92号)第2条第1項に規定する鉄道事業に係る鉄道線路の中心線

9)標高点
 標高を測量し、又は算定した地点(基準点を除く。)

10)水涯線
 河川、湖沼及びこれに接続する公共溝渠、かんがい用水路その他公共の用に供される水路(下水道法(昭和33年法律第79号)第2条第3号及び第4号に規定する公共下水道及び流域下水道であって、同条第6号に規定する終末処理場を設置しているもの(その流域下水道に接続する公共下水道を含む。)を除く。)の平水時における陸地と水面との境界線

11)建築物の外周線
 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物の屋根の外周線

12)市町村の町若しくは字の境界線及び代表点
 町又は字の領域を囲む線とその代表点

13)街区の境界線及び代表点
 住居表示に関する法律(昭和37年法律第119号)第2条第1号の街区方式により住居表示されている地域にあっては、同号の定める街区符号が付された街区の境界線とその代表点、それ以外の地域にあっては、市町村内の町若しくは字の区域を道路、鉄道若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川、水路等によって区画した地域の境界線とその代表点


基盤地図情報の項目の取得例

基盤地図情報の項目の取得例1


基盤地図情報の項目の取得例2


基盤地図情報項目の表示イメージ

基盤地図情報項目の表示イメージ



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基盤地図情報の基準とは

 国土交通省令で定める基準に適合するものに限るとしており、基盤地図情報が満たすべき基準として、その位置情報が 1)と2)のいずれにも該当するものとしました。
(地理空間情報活用推進基本法第2条第3項の基盤地図情報に係る項目及び基盤地図情報が満たすべき基準に関する省令(平成 19年8月29日国土交通省令第78号、一部改正 平成20年3月27日))

1)次のいずれかの測量の成果であること。
 
  ・測量法第4条に規定する基本測量
・測量法第5条に規定する公共測量
(その成果について、同法第41条第2項の規定により国土地理院の長が充分な精度を有すると認めたものに限る。)
・水路業務法 (昭和25年法律第102号)第9条第1項に規定する政令で定める測量の基準に従って行われた水路測量

基盤地図情報項目が含まれる代表的な測量成果
・基準点成果表 ・1/25000地形図
・水路測量標記事 ・河川基盤地図
・都市計画基図 ・道路台帳図   等
 
1/2500都市計画基図 1/25000地形図

2)次の精度を有する測量の成果であること。
 
  ・平面位置の誤差が、都市計画区域(都市計画法 (昭和43年法律第100号)第4条第2項に規定する都市計画区域をいう。以下この号において同じ。)内にあっては 2.5メートル以内、都市計画区域外にあって25メートル以内であること。

・高さの誤差が、都市計画区域内にあっては1.0メートル以内、都市計画区域外にあっては5.0メートル以内であること。

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基盤地図情報の整備に係わる技術上の基準とは

  地理空間情報活用推進基本法第16条第1項の規定に基づき、基盤地図情報の整備に係る技術上の基準を定めています。(地理空間情報活用推進基本法第 16条第1項の規定に基づく地理空間情報活用推進基本法第2条第3項の基盤地図情報の整備に係る技術上の基準の告示(国土交通省告示第1144号、平成19年8月29日に公布及び施行、一部改正平成21年1月26日、一部改正平成23年9月15日、一部改正平成24年1月25日))

 1. 既存の基盤地図情報の利用基準
 2. シームレスな基盤地図情報の整備基準
 3. 広域のシームレスな基盤地図情報の整備基準
 4. 基盤地図情報が適合すべき規格


1.既存の基盤地図情報の利用基準

 
  ・基盤地図情報の整備又は更新を行おうとするときは、既にある基盤地図情報が同等以上の位置精度を持ち、かつ、現状を適切に反映している場合には、
 → 既存の基盤地図情報をそのまま用いて当該基盤地図情報を整備又は更新

・既存の基盤地図情報を重ね合わせることにより問題が発生する場合、
 → 必要な情報内容の調整を実施

 


既存の基盤地図情報の利用基準の運用例

既存の基盤地図情報の利用基準の運用例


2.シームレスな基盤地図情報の整備基準

 
  ◆基盤地図情報の整備又は更新を行おうとするとき、隣接する地域において、基盤地図情報が既に存在し、同等以上の位置精度を持ち、かつ、現状を適切に反映している場合には、
 → 隣接する基盤地図情報の位置座標を基準に接合

◆境界部の接合により問題が発生する場合、
 → 必要な調整を実施

◆接合による補正量が許容位置精度を超える場合、
 → 接合は行わず、整備主体にその旨を通知

シームレスな基盤地図情報の整備の運用例

シームレスな基盤地図情報の整備の運用例



3.広域のシームレスな基盤地図情報の整備基準
 
  ◆既存の基盤地図情報を境界部で接合し、広域の基盤地図情報を整備する場合、
 ・ 境界部の位置情報を求められる場合、
 → 新たに求めた位置情報を基準に接合
 
 ・ 位置精度が異なる場合、
 → より高い位置精度の方を基準に接合

 ・ 位置精度が同じ場合、
 → 中点を基準に接合

◆問題が発生する場合、
 → 必要な調整を実施

◆接合による位置座標の変化が許容位置精度を超える場合、
 → 接合は行わず、整備主体にその旨を通知



広域のシームレスな基盤地図情報の整備の運用例(その1)

広域のシームレスな基盤地図情報の整備の運用例(その1)

広域のシームレスな基盤地図情報の整備の運用例(その2)

広域のシームレスな基盤地図情報の整備の運用例(その2)


4.基盤地図情報が適合すべき規格

 
基盤地図情報を提供しようとする場合の適合すべき規格は、以下のとおりとしています。
◆地理情報の設計に共通して使用する基幹的な部品
 JIS X7107(空間スキーマ)・・・点・線・面・曲線・曲面などの表現方法を規定
 JIS X7108(時間スキーマ)・・・供用開始日などの表現方法規定
 JIS X7111(座標による空間参照)・・座標による空間参照の記述についての概念スキーマを規定

◆地理情報の設計に係わる規格
 JIS X7109(応用スキーマのための規則)・・・地理情報の設計図の描き方を規定
 JIS X7110(地物カタログ化法)・・・地物を定義した地物カタログの作成法を規定
 ISO 19103(概念スキーマ言語)・・・応用スキーマを記述する言語を規定
 ISO 19123(被覆の幾何及び関数のためのスキーマ)・・・グリッドデータの設計

◆地理情報の空間参照に係わる規格
 JIS X7111(座標による空間参照)・・・参照座標系の定義法
 JIS X7112(地理識別子による空間参照)・・・地理識別子(住所)による空間参照の作成方法

◆地理情報の品質に係わる規格
 JIS X7113(品質原理)・・・論理一貫性等、データの品質を定量的に測るための尺度を定義

◆地図情報の内容に係わる規格
 JIS X7115(メタデータ)・・・メタデータ(地物データの検索に用いる索引情報)の記述法
  全ての地物に位置精度情報が付与されることで、必要なレベルの基盤地図情報を抽出して利用できる。

◆地理情報の共用に係わる規格
 JIS X7136(地理マーク付け言語)・・・地理情報の伝送や格納のための符号化法
 ISO 19118(2011)(符号化)・・・地理情報を物理的に記述するための言語を規定
  基盤地図情報の提供用データを作成する際、原則としてGML(JIS X7136)を使用するが、XML(ISO 19118(2011)附属書C)を使用してデータを記述してもよい。

◆地理情報の作成に必要な要求に係わる規格
 ISO 19131(データ製品仕様)・・・地理情報の製品仕様書に記述すべき事項を規定


基盤地図情報提供に用いる地理情報の国際・国内規格

基盤地図情報提供に用いる地理情報の国際・国内規格

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