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地理院ホーム  > 2012年 報道発表資料  > 東北地方などの電子基準点より準天頂衛星やグロナス衛星のデータ提供を開始-GNSS時代への対応による震災復興支援- 最終更新日:2012年7月13日

東北地方などの電子基準点より準天頂衛星やグロナス衛星のデータ提供を開始-GNSS時代への対応による震災復興支援-

発表日時:2012年7月13日14時00分

概要

 国土地理院は、7月13日より、東北地方などの電子基準点(187点)で取得した準天頂衛星(日本)やグロナス衛星(ロシア)の観測データを提供します。従来のGPS(米国)に加え、これらの衛星が利用できると、上空視界の制約のためGPSだけでは測量できなかった地域でも測量が可能になり、震災復興事業等の効率化に役立ちます。電子基準点よりGPS以外のデータを提供するのは今回が初めてで、本格的なGNSS(衛星測位システム)時代の幕開けとなります。 

1.背景

 国土地理院は、全国1240点の電子基準点(資料1)においてGPS衛星の観測を行い、そのデータを解析して地殻変動を監視するとともに、我が国で行われるGPS測量のための観測データをHPから無償提供しています。このデータを用いると基準点での観測を省略できるので※1、電子基準点はGPS測量のインフラとなっています。
 近年、ロシアの測位衛星であるグロナス(GLONASS)が本格運用されるようになり、公共測量の作業規程の準則※2でもグロナスの利用が認められました(平成23年3月改正)。また平成22年9月に打ち上げられた我が国の準天頂衛星初号機「みちびき」の実証も順調に進んでいます。
 GPSに加え、準天頂衛星やグロナスのような衛星測位システム(以下、「GNSS」※3と総称します。)が利用できると、建物や樹木、地形等の障害によって衛星からの信号が観測しにくい都市部や山間部でも、十分な数の衛星が観測可能となって測量できるようになるため※4、電子基準点の利用者からは、早くGPS以外のGNSSに対応してほしい、との要望が寄せられていました。また観測できる衛星数が格段に増えることにより、1回の観測に必要な時間の短縮も期待されています。
 このため平成21年度より、老朽化した受信機を更新する際にGNSS受信機への入れ替えを図ってきましたが、1240点全点で対応が終わるのは平成31年度の予定でした。

2.GNSSデータの早期提供

 平成23年3月の東日本大震災を契機に、電子基準点の更新スケジュールは大幅に前倒しされ、受信機・アンテナの全国更新は平成24年度に完了の見込みです。また、電子基準点のデータを収集・提供する中央局でも、平成24~25年度にGNSSに対応したシステムを整備することとしています。しかし、被災地域の山間部を縦貫する道路の整備等、震災復興での測量ニーズに対応するため(図1)、準天頂衛星やグロナスのデータがさらに早期提供できないか検討してきました。
 この結果、平成24年7月13日より、受信機及びアンテナの更新が完了した東北地方を中心とする全国の電子基準点187点(資料2資料3)について、従来のGPSに加え、準天頂衛星やグロナスを含む観測データファイルをホームページで提供します。
 このグロナスデータは、GPSとの併用により公共測量での利用が可能です。準天頂衛星は実証段階にあり、測量用の解析ソフトウェアが市販される状況には至っていませんが、研究開発用のデータとしてご利用いただけます。
 平成5年に電子基準点の整備が始まって以来、今年で20年となりますが、GPS以外のGNSSデータを提供するのは、今回が初めてです。まだ一部の電子基準点でしか利用できませんが、今後これらのデータの利活用により我が国におけるGNSS測量の普及を進めて行く予定です。

  

  図1.様々な衛星測位システムを利用することにより、従来は難しかった上空視界に制約のある地域でも、効率的なGNSS測量が可能となり、震災復興事業等の効率化を支援。

3.データ提供について

(1)アクセス先:国土地理院HPの電子基準点データ提供サービスのページ
                     http://terras.gsi.go.jp/ja/index.html
(2)提供データ:30秒毎の観測データ及び放送暦(衛星の位置を表す情報)を
               測量用標準フォーマット(RINEX)形式のファイルで提供

種類 フォーマット 周波数帯 ※5 備考
[1]GPSのみ  RINEX ver.2.10 L1、L2 従来から提供しているものと同じ
[2]GPS+グロナス  RINEX ver.2.11 L1、L2 新たに提供
[3]GPS+グロナス+準天頂衛星  RINEX ver.2.12 準天頂衛星拡張版 L1、L2、L5(グロナス除く) 新たに提供 

(3)留意点

 公共測量の作業規程の準則では、グロナスを併用する場合、同一機器メーカーの測量機の利用を原則としています。公共測量の計画にあたっては、利用したい電子基準点の機器メーカーを事前にご確認ください(資料3)。異なるメーカーの機器を利用する場合は、準則第17条(機器及び作業方法に関する特例)の手続きが必要となります。詳細は、国土地理院測量指導課までお問い合わせください。

4.今後の予定

 残り約1,000点の電子基準点からの準天頂衛星やグロナスのデータファイルの提供は、受信機更新が完了し、中央局システムが概成する平成25年度の予定です。
 また、現在GPSについては、電子基準点の1秒毎のリアルタイムデータや、それに基づくネットワーク型RTK測量※6のための補正情報が、民間から提供されています。国土地理院では、これらのGNSS対応も促進するため、「電子基準点を利用したリアルタイム測位推進協議会」※7が参加者を公募して東北地方や北海道で今年夏に実施する「マルチGNSS実証実験」に協力し、GNSSのリアルタイムデータを協議会に試験提供します。特に、震災復興のための工事現場で建設機械を制御する情報化施工での利用が期待されています。実験の詳細は、同協議会までお問い合わせください。
 
※1 GPS(GNSS)測量では、通常、[1]位置を求めたい点(新点)と位置のわかった点(基準点)に、受信機とアンテナを設置し、1~2時間程度の観測を行った後、[2]2点の観測データを組み合わせて解析し、両者の位置関係をcm級の精度で求め、[3]基準点の座標(経緯度、高さ)を元に新点の座標を求めます。電子基準点では、位置のわかった点で常時GPS(GNSS)観測を行っていますので、そのデータがあれば、利用者は基準点での観測を省略できます。
※2 地方公共団体等が行う公共測量について観測機械の種類、観測法、計算法等を規定した作業規程の規範となるもので、国土交通大臣が定めます。
※3 Global Navigation Satellite Systemの略。米国のGPS及び日本の準天頂衛星、ロシアのグロナス、EUが開発中のガリレオ(Galileo)等があります。各国は各システムの民生用公開信号が無償利用できることを繰り返し表明しています。
※4 現在、GPS約30機、グロナス約24機、準天頂衛星1機が運用されており、上空視界の良い場所では、これらの1/4~1/3程度の衛星が同時に観測できます。測量には同時に4~5個の衛星が必要となりますが、GPS以外の衛星を使えば上空視界の悪い場所でも必要な衛星数を確保するのが容易となります。
※5 従来のGPSでは、信号はL1(1575.42MHz)、L2(1227.60MHz)の二つの周波数帯で送られていましたが、次世代GPSや準天頂衛星ではL5(1176.45MHz)の周波数帯でも信号が送られます。
※6 周辺の電子基準点で得られたデータから求めた補正情報を測量現場で受信し、リアルタイムで測量を効率的に行う方式。RTKはリアルタイム・キネマティックの略。
※7 電子基準点リアルタイムデータの利活用と普及推進を目的に平成13年11月に設立された団体。補正情報の配信事業者、受信機メーカー、測量会社、通信事業者、大学等から構成されます。事務局は(社)日本測量協会(連絡先:http://www.jsurvey.jp/pcrg/kyougikai.htm参照)です。
 

問い合わせ先

 〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 国土交通省国土地理院
 (電子基準点について)
   測地観測センター 衛星測地課長 辻 宏道 029-864-6951(直通)        
          衛星測地課長補佐 山口和典  029-864-6258(直通)
                        029-864-6864(FAX)
 (公共測量について)
   企画部      測量指導課長 田中宏明 029-864-6691(直通)
          測量指導課長補佐 長谷川学 029-864-4610(直通)
                        029-864-1356(FAX) 

Q&A

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