人工衛星データを用いて中国・四川省の地震に伴う地殻変動を面的に把握(第1報)

発表日時:2008年05月21日(水) 10時00分

陸域観測技術衛星「だいち」が観測した合成開口レーダーデータの解析から、中国・四川省で発生した大地震で、震央から約140km離れた北川県周辺でも震源断層が動き、地殻変動が広範囲に及んでいることがわかりました。
 

  国土地理院は、陸域観測技術衛星「だいち」(宇宙航空研究開発機構:JAXA)が2月18日と5月20日(日本時間)に観測した合成開口レーダー(PALSAR)データの干渉解析を行い、5月12日に中華人民共和国・四川省で発生した大地震に伴う地殻変動の面的分布を明らかにしました。

  この解析結果から、震央から北東に約140km離れた北川県(ペイチョワン)周辺においても、地震に伴う明瞭な地殻変動が見られます。
  地殻変動は南北に100 kmを超える範囲に及び、四川盆地と北縁の山岳地帯との境界領域に変動が集中しており、この付近の地下に震源断層があるとみられます。余震の分布とも概ね一致します。これら変動の様子から、今回の震源断層は更に北東へ延びているとみられます。

  なお、今回の結果は速報であり、今後は観測されるデータを用いて、より詳細な分析を行い、随時内容を更新します。また、「だいち」のレーダーによる震源域付近の次回観測は、5月25日に予定されています。

添付資料

※資料1の補足説明は、国土地理院SAR干渉画像公開ページをご覧ください。
国土地理院SAR干渉画像公開ページ(中国・四川省の地震)

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