航空レーザスキャナデータを使用した建物被害地域把握技術の開発

Development of Methodology to Identify the Areas of Building Collapse by Earthquake Using Airborne Laser Scanning Technology

地理調査部  田口益雄
Geographic Department  Masuo TAGUCHI

要旨

近年,東海地震等の切迫性が懸念されており,防災・減災対策を推進することにより,安全,安心な社会を構築することが求められている.このような対策の一環として,災害時において情報を迅速,正確に収集,共有,提供することは,被害の軽減や拡大防止を図るうえで必要であり,これが,阪神・淡路大震災以後,災害情報システムの整備が急速に進んだゆえんである.しかし,これらの災害情報システムは個別に開発されたために操作の習得,コスト,相互運用性等に課題が見られる.その一方で,新たな技術を災害に適用し,より迅速かつ的確に災害状況を把握したいという強い要望の高まりがある.
このような状況から,宇宙技術,情報処理技術,通信技術などを活用して,リアルタイムに災害情報を収集,解析,共有,提供できる体制を構築するための研究開発を平成15年度より3ヶ年にわたり,総合技術開発プロジェクト「リアルタイム災害情報システムの開発」として取り組んだ.地震災害のうち,航空レーザスキャナデータを使用した一般住宅被害地域抽出手法について報告する.

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