第18回全国児童生徒地図優秀作品展 ご挨拶(連絡協議会長)

第18回全国児童生徒地図優秀作品展 ご挨拶(連絡協議会長)

地図づくりから育つグローバル人財

北は北海道の「私たちの身のまわりの環境地図作品展」、南は九州の「大分市児童地図作品展」、全国16地区で開催された児童・生徒の地図作品展で選ばれた力作の作品が、1月9日から国土地理院で、国土交通省で、NHKと順次展示されました。

地図作品は、開催地区ごとに基準・規格・テーマなどさまざまで、地形図の着色という基本的な作業をしながら、地図に親しみ地域を想像する楽しみが感じられる作品から、立体模型、あるいは畳より大きなものまであり、各地区みんな違っていて、みんな個性にあふれ、すばらしい地図作品ぞろいでした。

主題図は、地図つくり以前の調査がきっちりとなされているかどうかが作品の出来栄えに大きく反映します。調査では必ず現地を訪れ、自分の目で視る、耳で聴くほか、時には鼻で嗅ぎ、舌で味わい、皮膚で触れる等、五感をフルに使い、汗水流す大変な労力が伴います。そして、そのような労力があって、はじめて物事の本質をつかむ「第六感」が働き、発想ゆたかな作品ができるものだと思います。

 

最近、国際化、国際交流という言葉に代わって、グローブ「globe:地球」に語源をもつグローバルという言葉をよく聞きます。教育の場でも、グローバル教育、グローバル人財の育成ということがよく言われます。

多くの識者がいうグローバル人財とは、

  1. 問題を発見する力 
  2. 問題を解決する力 
  3. 説明する力 

の三つを兼ね備えた人のことを言うようです。

地図作品つくりは、その過程においてローバル人財として成長するに必要な力を身につける要素が含まれています。

また、児童・生徒たちが作品つくりをとおして、地域と向き合うことは、おのずと地域に関心をもち、地域を愛する心を育てます。また、作品には、子ども達の目線で感じた地域の問題・課題も描かれています。それは、地方創生のためのヒント・手がかりでもあります。地図作品の中に、それを見いだせるかどうか、私たち大人の力量も問われています。

地図作品づくりをとおして、地域・地方(ローカル)の問題に対応できるグローバルな人財を育てるべく、地図作品づくりの仲間が各地にできるようしていきたいものと思います。

 

平成27年2月

全国児童生徒地図作品展連絡協議会

会長 小山 富見男