1. 位置情報基盤・地理情報基盤の構築

様々な情報は、位置情報・地理情報と結びつくことにより飛躍的に価値が増大し、有用性が高まると考えられる。この最も基礎となる基準点体系および地形図データベースを位置情報基盤・地理情報基盤として構築し、国土の総合的かつ体系的な利用、開発および保全に役立つ多目的利用に対応したインフラとして機能させる。
 (1)新しい基準点体系の構築
 公共測量等の各種測量に基準を与えるとともに、地球科学に関する知見の拡大に寄与するため、電子基準点および骨格的な三角点からなる約3,600点の新しい基準点体系の構築と、維持管理の仕組みが完備された位置情報基盤を国民に提供する。
 (2)新鮮な地形図データベースの整備
 全国をカバーする地理情報基盤である25,000分の1地形図データベースを鉄道・道路の開通や行政界の変更や国土利用等の変化に対応してリアルタイムに更新する。また、我が国が平成16年度に打ち上げ予定のALOS(陸域観測技術衛星)をはじめとする人工衛星等画像情報の利用技術の開発を進めるとともに、地方公共団体との連携を図りながら迅速に変化の情報収集・更新を行い、新鮮な地理情報基盤を提供する。
 (3)地球規模の測地観測の推進
 我が国の測地系と地球規模の測地基準との整合性を維持するため、また、地球の姿を明らかにし、より高精度な地球規模の測地基準の構築に貢献するため、VLBI、GPS、重力について、アジア・太平洋地域各国をはじめとする世界各国との国際共同観測・解析を推進する。また、これらのデータを活用し、日本列島とその周辺・太平洋地域の地殻活動の把握に努める。
 (4)電子基準点による位置情報サービス産業の支援
 リアルタイム観測を実施している、世界に例を見ない稠密な配置の電子基準点を公共測量に活用する。また、このデータ提供を利用したリアルタイム測位技術による位置情報サービスを活用した、商圏分析、物流管理、高齢者・障害者活動支援等の新たな産業の創出を積極的に支援するため、全国の電子基準点データ(GPS連続観測データ)の安定供給に努める。