4. グローバル地理情報構築の推進
1.施策の目的
近年、世界各国において、我が国主唱の地球地図の整備をはじめとする、全地球空間データ基盤プロジェクトが進行しつつあり、我が国としても国際的な協調体制のもとで、データ整備、標準化、共有化等について積極的に推進する必要がある。また、特に、アジア太平洋地域においては、国連の勧告により設置されたアジア太平洋GIS基盤常置委員会の事務局長を担うなど、先導的な役割を果たすことが求められている。 このため、地理情報の標準化、国際共同観測、途上国への支援等を通じて、世界の先導に立った地理情報の構築に主体的に寄与する。 |
- 2.施策の概要
- (1)アジア・太平洋地域及び地球全体の地理情報の整備
- アジア太平洋GIS基盤常置委員会(PCGIAP)及び全地球空間データ基盤(GSDI)運営委員会のメンバーとしてアジア・太平洋地域及び地球規模の統一した仕様による地理情報(地殻変動、重力測定等)の整備を推進する。特に、PCGIAP及びその上位組織である国連アジア太平洋地域地図会議(UNRCC-AP)の平成15年度の我が国における開催等を通じ、これらの分野の国際協力関係を推進する。
- (2)地球地図を活用した地球環境問題への取り組みの推進
- 世界93の国と地域が参加する地球地図国際運営委員会(ISCGM)の事務局として整備を進めている地球地図を活用するとともに利用手法を開発し、森林破壊や砂漠化をはじめとする地球規模での環境問題の解明について、関係各国と国際共同調査により推進する。
- (3)アジア・太平洋地域及び地球全体の国際共同観測の推進
- 地球の姿を明らかにするため、VLBI(超長基線電波干渉法)、GPS、絶対重力等についてアジア・太平洋地域各国及び世界各国との国際共同観測・解析を推進する。
3.重点施策としてのアピールポイント
国土地理院は、国際的な各種委員会にメンバーとして参加し、その主要国として地球地図などの国際的な地理情報整備を推進しており、アジア・太平洋地域及び世界各国において、国際的に共通の地理情報整備の促進に努める。地球地図をはじめとするこれらの情報の整備により、地球温暖化に伴う海面上昇などの地球環境問題の解明や対策の検討が促進される。 また、国際共同観測の推進により、日本列島とその周辺・太平洋地域を含めた広い地域の地殻変動を把握することが可能になり、我が国の地震調査研究の進歩に貢献できる。さらに、プレート運動等地球内部の現象の解明により、地球科学の発展に貢献する。 |
4.他部局、他省庁の施策との関連
(1) | 総合政策局国際建設課と共同して地球地図整備を推進する。 |
(2) | 地球環境保全調査研究等総合推進計画(地球環境保全に関する関係閣僚会議)に基づき、験潮・VLBI国際観測等により地球温暖化に伴う海面水位変化を把握するとともに地球地図の整備を推進する。 |
5.その他
(1)持続可能な開発のための世界サミット(平成14年9月)
(2)国連環境開発特別総会(平成9年6月)
(3)地球サミット(「アジェンダ21」行動計画採択、平成4年6月)
(4)国連持続的開発委員会(CSD)
(5)地球地図国際運営委員会(ISCGM)
(6)国連アジア太平洋地域地図会議(UNRCC-AP)
(7)アジア太平洋GIS基盤常置委員会(PCGIAP)
(8)地球回転連続観測プロジェクト(CORE)
(9)アジア・太平洋地域地球力学プロジェクト(APSG)
(10)国際標準化機構第211(地理情報)専門委員会(ISO/TC211)
(11)国連地名標準化委員会
(12)全地球空間データ基盤(GSDI)
(13)国連地理情報ワーキンググループ(UNGIWG)
(14)南極研究科学委員会(SCAR)