1. 電子国土の基盤となる情報の整備
1.施策の目的
21世紀において、各種情報は位置情報と結びつくことにより飛躍的に価値が増大し、有用性が高まると考えられる。そして、GPSやGISの実用化により基本的なツールがそろい、これらが実現可能となっている。 「電子国土」は、様々な整備主体の保有する地理情報を位置情報に基づいて統合し、国、地方公共団体、民間企業、個人等が地理情報を有効に活用できることを目的としたコンピュータ上のサイバー国土である。国土地理院では、電子国土の最も基盤となる基準点及びGIS基盤情報を継続的に整備・維持することにより、「電子国土」の早期実現を目指す。 |
2.施策の概要- (1)最新のGIS基盤情報の整備
- 1/25,000(全国)及び1/2,500(都市計画区域)地形図相当の空間解像度を有するレベルのGIS基盤情報について、人工衛星技術等を活用した情報収集に努め、GIS基盤情報の速やかな更新・提供を行う。
- (2)GPS連続観測システムの高度化
- 全国で約1,200点整備された電子基準点について、システムの高度化を引き続き行い、連続的・継続的な観測を実施する。また、これらのデータについては、それぞれの利用分野に合った形式、媒体でのリアルタイム提供サービスを行う。
- (3)東南海・南海地震への対策強化
- 国の中央防災会議の専門調査会にによって今世紀前半にも大規模な地震発生の可能性が高いと指摘された東南海・南海地域について、地震発生時の被害を最小限とするために必要となる科学データの蓄積のため、同地域への電子基準点増設により地殻変動観測を強化するとともに、地震発生メカニズムの解明、地震・津波防災のための地理情報整備を推進する。
3.重点施策としてのアピールポイント
「電子国土」の構築により、位置情報を介して多くの行政情報と民間の情報の統合を図ることができ、行政・国民生活における新たな情報利用の展開が期待できる。
具体的には、電子基準点の情報により、高精度な位置情報のリアルタイム取得が可能となることから、測量分野のみならず、モバイルGIS、ナビゲーション、レジャー等の分野で活用できる。また、GIS基盤情報の継続的な維持管理により、利用者は、常に最新のGIS基盤情報を利用することができる。また、東南海・南海地域に電子基準点を増設し、対策強化を図る。
4.他部局、他省庁の施策との関連
地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議では、平成14年2月に「GISアクションプログラム2002-2005」を策定し、関係省庁が連携してデータ整備・提供の推進、相互利用ルールの具体化などを行い、GISの普及を図っている。
5.その他
(1) e-Japan重点計画(平成13年3月29日)及びe-Japan重点計画2002 (平成14年6月18日)(IT戦略本部) (2) e-Japan戦略(平成13年1月22日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部) (3) 地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議
・国土空間データ基盤の整備及びGISの普及の促進に関する長期計画(平成8年12月18日)
・GISアクションプログラム2002-2005(平成14年2月20日)(4) 東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成14年7月26日法律第92号) (5) 第5次基本測量長期計画(平成11年) (6) 国際標準化機構第211(地理情報)専門委員会(ISO/TC211)