平成23年11月の地殻変動について

発表日時：平成23年12月8日（木）16時00分

全国の地殻変動概況

　別紙１～７は、国土地理院が全国に展開しているＧＰＳ連続観測網の観測結果から求めた平成23年10月下旬から平成23年11月下旬の１ヶ月間の地殻変動を表したものです。平成23年３月11日東北地方太平洋沖地震後の余効変動が東日本の広い範囲で見られます。
　また、期間の地震等に伴う地殻変動として、房総半島では、10月26日頃から11月８日頃まで発生した房総半島沖でのプレート間ゆっくり滑り（スロースリップ）現象に伴う地殻変動が見られます。火山周辺では、硫黄島内、霧島山周辺及び桜島周辺で地殻変動が見られます。

トピックス

３月11日14時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震（Ｍ9.0、最大震度７）後の余効変動が東日本の広い範囲で継続していますが、その変動速度は小さくなってきています。（別紙８）
房総半島において、10月26日頃から11月８日頃まで定常的な地殻変動とは異なる変動（非定常地殻変動）が検出されました。房総半島沖のプレート境界で地震動を伴わないゆっくりとした断層すべりが起きたと推定されます。（別紙９）
硫黄島内の「硫黄島１」、「Ｍ硫黄島」では、2010年５月以降隆起の傾向が見られ、2010年11月中旬頃から12月にかけて一時鈍化しましたが、2011年１月末頃から隆起速度が増加し、その状態が現在も続いています。「硫黄島２」では大きな南向きの地殻変動が見られます。（別紙10）
霧島山周辺では、「えびの」－「牧園」、「牧園」－「都城２」、「都城２」－「えびの」の基線において、新燃岳で１月26日に噴火が発生して以降、２月１日まで顕著な縮みの傾向が見られましたが、その後伸びの傾向が見られます。（別紙11）
桜島周辺では、鹿児島（錦江）湾を挟む基線で、長期的な伸びの傾向が見られています。桜島島内の「鹿児島２」－「桜島」、「鹿児島３」－「桜島」基線では、2010年初め頃から伸びの傾向が見られていましたが、その傾向が2010年7月頃から鈍化しています。「鹿児島３」－「桜島」では2011年10月頃までわずかに縮みの傾向が見られていましたが、それ以降は変化は停滞しています。（別紙12）

補足説明

全国の１年間の地殻変動（平成22年11月下旬から平成23年11月下旬まで、別紙13）からは、以下のような傾向が見られます。
- 北海道から中日本までの広い範囲で、東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動が見られます。
- 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。

別紙一覧

別紙８　東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動
別紙９　房総半島での非定常地殻変動（10月26日頃～11月８日頃）
別紙10　硫黄島の地殻変動 [PDF形式:803KB]
別紙11　霧島山周辺の地殻変動
- 11-1　霧島山周辺の地殻変動 [PDF形式:527KB]
- 11-2　霧島山変動源モデル計算（暫定） [PDF形式:620KB]
別紙12　桜島周辺の地殻変動 [PDF形式:697KB]
別紙13　全国の地殻変動（水平）－１年間－ [PDF形式:827KB]

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〒305-0811　茨城県つくば市北郷１番
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測地観測センター　　　　　　地殻監視課長　　　　　　　吉池　健　　(029-864-5971)
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