接峰面・接谷面を用いた阿武隈山地の地形解析

Landform analysis using summit level and streamline surface in Abukuma mountains

地理地殻活動研究センター  佐藤 浩・頼 理沙
Geography and Crustal Dynamics Research Center  Hiroshi P. SATO and Lisa LA

要旨

 国土地理院50mメッシュDEMを用いて効率的に,接峰面・接谷面データを作成し,従来の研究と比較しながら阿武隈山地の地形的特徴を見出そうとした。

 その結果,窓領域1.375 km×1.375 kmの接峰面データに基づき,南・北阿武隈山地の小起伏面を対比した。また,DEMから接谷面データを引いた差から谷を自動抽出し,第四系,新第三系よりも花こう岩が卓越して分布する流域では流域面積に占める谷の面積の割合が低いことがわかった。さらに,北阿武隈山地では小起伏面の標高が高くなるほど起伏量の平均値が増大する傾向があるが,南阿武隈山地ではその平均値が100~200mとほぼ揃っていることがわかった。電子基準点データからは両山地の高さ方向の変動に差は無く,起伏の違いの原因と説明するのは難しい。

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