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干渉SARの応用

干渉SARの応用

干渉SARに含まれる誤差の低減手法

数値気象モデルを用いた大気遅延誤差の低減

SAR干渉画像には,実際の地盤変動とは異なる数cm程度の見掛けの位相変化が見られる場合があり、その主な原因の1つが,大気による影響と考えられています。この影響を低減するために国土地理院では数値気象モデルを利用した大気遅延誤差の低減処理手法を開発し、高精度地盤変動測量で定常的にこの手法を利用しています。
大気遅延誤差低減処理の概略は次の通りです。
  1. 数値気象モデルから得られるSAR撮像時の大気中屈折率分布をもとに各ピクセル毎の位相遅延量をマスター画像、スレーブ画像それぞれに対して計算します。
  2. 1.で計算した遅延量の差分をとり、干渉画像に対応する大気遅延量分布モデルを作成します。
  3. 差分干渉画像から大気遅延量分布モデルで予想される遅延量を差し引き、大気遅延誤差を低減します。

大気遅延誤差の低減 
詳しくは国土地理院時報第125集「SAR干渉解析のための数値気象モデルを用いた大気遅延誤差の低減処理ツールの開発」を御覧ください。

GNSS補正

SAR干渉画像には、電離層や衛星軌道情報の誤差に起因する空間的に長波長の誤差が含まれています。これらの誤差は特に広域を対象にした解析を実施した場合に大きな影響があります。GNSS補正は、地上における GNSS観測によって得られた変位量と SAR干渉解析結果とを比較することによって、この誤差量を推定・除去する手法です。国土地理院では、SAR干渉解析を実施する際には、原則的に常にGNSS補正を実施しています。

GNSS補正の概念図

スタッキング

スタッキングとは、複数の解析結果を平均化して、変動速度を求める手法です。この手法により、時間的に不規則な水蒸気によるノイズが軽減され、継続的に発生している変動が抽出できます。なお、平均化のため、変動速度は一定と仮定しています。よって、同様な変動が継続する地盤沈下などの検出には適しますが、季節的な地盤変動、膨張・収縮を繰り返す火山や変動速度が変化する地すべりのような不規則な地表変動には不向きです。
図のa)~d)のSAR干渉解析結果から得られる変動量は、ノイズの影響によって全体的に数cmの誤差を含んでいます。そこでa)~d)の4画像を平均化することによって、不規則なノイズを軽減させることが可能です。
平均化処理後のe)では、地盤沈下と思われる変動域(赤破線部)が明瞭になり、平均化処理前のa)~d)で見られる変動域以外の不規則な数cmのノイズが軽減されています。

スタッキング解析結果

スタッキングについて、詳しく知りたい方は、国土地理院時報第120集「干渉SARを活用した効率的な水準測量の実施に向けた取り組み」国土地理院時報第124集「干渉 SAR 時系列解析による地盤沈下の検出」を御覧ください。

干渉SAR時系列解析

干渉SAR時系列解析とは、多数のSAR画像からから干渉度低下の影響が小さい部分を抽出し、大気や軌道誤差に起因する誤差をを統計的に推定・除去することで変動計測精度を向上させ、変動の時間変化を追跡する解析手法です。
国土地理院では、高精度地盤変動測量での定常的な実施に向けて研究開発を進めています。詳しくは新規研究課題提案書「干渉SAR時系列解析による国土の地盤変動の時間的推移の面的検出に関する研究」を御覧ください。
干渉SAR時系列解析

変動を立体的に把握する

2.5次元解析

干渉SARででは、衛星-地表視線方向の距離の変化しかとらえられません。
だいち2号のような人工衛星を利用した干渉SARの場合、西側と東側から観測を行うことができます。2方向からの観測結果を合成し、東西方向と上下方向に分離することが可能です。
この手法を2.5次元解析と呼んでいます。
2.5次元解析

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