地理院ホーム  > 長野県北部の地震に伴う地表変形調査 最終更新日:2014年12月3日

長野県北部の地震に伴う地表変形調査

だいち2号SAR干渉画像に基づく地表変形現地調査(2014年12月3日作成)

国土地理院が解析を行った「だいち2号」(ALOS-2)のSAR干渉画像 の中には、衛星と地表間を結ぶ距離の変化を示す色が急激に変化する境界線が見られる。南部の白馬村では干渉領域と非干渉領域の境界線が都市圏活断層線と一致する箇所が多い一方、北部の小谷村では、干渉領域の中に色(干渉位相)の不連続線が見られる。この北部の小谷村内の位相不連続線の現地調査を2014年12月2日に実施し、2箇所で地表変形を確認したので報告する。

小谷村泥崎の地表変形(平成26年12月2日確認)

長野県安曇郡小谷村泥崎の標高約600mの東向き斜面の道路、畑、水田の畦において、3本の地表変形を確認した(写真-1)。3本の走行はN0°EからN25°Eで、3本の変形が確認された長さと幅は約30mである。付近には開口亀裂も見られるが、東側のLine-1とLine-2の地表変形は、東側隆起が卓越している(写真-2、写真-3、写真-4)。3本の地表変形は、道路を横断しており、北の路肩や南の畑に続いている。特にLine-1とLin-2は畑を横断している。この南南西約100mの水田の畦にも東側隆起の地表変状が続いている。

写真-1 尾谷村泥崎付近で確認された3本の地表変形。東に向かって撮影。Line-1とLine-2は左(南)の畑の中まで変位が続いている。


写真-2 Line-1の道路上の地表変形。北に向かって撮影。アスファルトの東側が隆起している。


写真-3 Line-1の南側部分の地表変形。南東に向かって撮影。畑の南側の建物脇まで東側が隆起し、雨天時に水たまりができるようになった。


写真-4 Line-2の道路と畑の間の地表変形。東に向かって撮影。東側が隆起している。



千国駅付近の地表変形(平成26年12月2日確認)

千国駅改札口の南南西約40mの道路上にほぼ南北方向の走行を持つ東西短縮変形による路面の隆起と頂部亀裂を確認した(写真-5)。南北の長さは約10m。また、屋根付き歩道の一部隆起が確認された。

写真-5 大糸線千国駅(長野県北安曇郡小谷村)改札口南南西の道路上に見つかった地表変状。



問い合せ先

国土地理院 地理地殻活動研究センター
地理地殻活動総括研究官 飛田幹男(TOBITA Mikio) 029-864-2477
地理情報解析研究室 室長 中島 秀敏(NAKAJIMA Hidetoshi)  029-864-5942
地理情報解析研究室 主任研究官 神谷 泉(KAMIYA Izumi)
地理情報解析研究室 研究官 中埜 貴元(NAKANO Takayuki ) 029-864-6589

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