測量に関するミニ知識

第19回 地図の豆知識

北の向きを上にしたことには、方位磁石が関係する!?

 地図の上が、北になった理由は明らかではありません。一説では、北を指す方位磁石をつかって測量を行うようになったからといわれています。ちなみに、日本史上はじめて国土の正確な姿を明らかにした伊能忠敬は、「半円方位盤(はんえんほういばん)」(図1)という、磁石を使って方位を読み取る測量機器を考案し、これを使って、遠方の目標となる山岳、島嶼(とうしょ)、岬などの方位を精密に測ったそうです。
半円方位盤

図1  半円方位盤



 

北磁極点は北東に位置するのに、なぜ、磁気偏角が西向き(西偏)なの?

 北磁極点はカナダの北、北緯86度、西経160度付近にあります。その点は、日本から見ると北東に位置するので、磁気偏角は東向き(東偏)と思いがちです。しかし、地上の位置での磁北の向きは、局所的な地磁気の影響を受けて、地球の中心に巨大な棒磁石を置いたと考えた場合のものとは異なっており、また、同じ場所でも時間の経過によって変化します。そのため、地表での磁力線は、磁極点にまっすぐに向かっていないのです。図2は2010年初時点における、日本列島の磁気偏角の分布を示していますが、このように、日本列島での現在の磁気偏角は西向きとなっています。
磁気図(偏角)

図2 磁気図(偏角)


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