地理情報 − サービス(要約)
ISO/WD 19119(1999年9月17日)
適用範囲
この規格は地理情報のために使われるサービスインタフェースの定義、内容確認ならびにオープンシステム環境モデルへの関係の定義をしたものである。サービスインタフェースの定義は異なるレベルの多様なアプリケーションに対して地理情報の入手と使用を可能にすることである。本規格はすべての地理情報の一般的かつ専門的なサービスを供給するために使用される。
この規格はSQL/MMと整合をとるとともにISO RM ODP、CEN/TC、OpenGIS、OMG、ODMGを考慮しつつ作成される。
用語と定義
サービス(Service)サービス提供実体とサービス使用実体間のインタフェースの有効利用能力。エンティティー(Entity)(OSE)個別の識別できる技術要素。インタフェース(Interface)位置属性を有する2つ以上の実体間の境界。サービス要件(Service Requirement)特定のインタフェースにおけるサービスに対する必要性の記述。インタフェース仕様(Interface Specification)どのようにして特定のサービスが実行され特定のインタフェースにおいて提供されるかを明示する文書。相互運用可能性(Interoperability)要求Riの相互理解に基づき、XがYへ、サービスのための要求Riを送ることができ、同様に、YはXに応答Siを返すことができる時、二つのエンティティーXとYは相互運用可能。抽象と実装サービス仕様の適合性
抽出ならびに実装サービス仕様の概念図を示す。
地理空間サービスの分類
ITサービスをベースにして地理空間サービスを分類したものが次の図である。
主なサービスの概要は以下の通りである。
1 地理空間ヒューマン連携
出力装置に対する一つ以上の地物コレクション或いは被覆(coverage)を準備して提供するサービスである。出力装置はディスプレイーかハードコピー・プリンター(例えば地図や表の印刷)である。
このドメインは既にこれまで、特定の地理空間要求として定義されてきており、ISO/TC211の中では作業項目“描画法”が開始されている。
2 地理空間モデル/情報管理
地理情報システム(GIS)や地理空間ライブラリ、から選択された地理空間情報の位置決め、検索、配布ならびにライブラリのコンテンツの更新(地理空間情報の格納、消去、修飾)のための一連のインタフェースを定義する。
このドメインで焦点を当てているのは、データ/モデルとメタ・データ/メタ・モデルである。
3 地理空間ワークフロー/タスク管理
ワークフロー/タスク管理では、地理空間情報やサービスの購入/販売のための発注処理を中心とするワークフローの標準化を行う。
4 地理空間コミュニケーション
クライアントに要求されていた情報を受け取ったり、整備(例えば、再フォーマット、圧縮、解凍など)したり、優先度付け、それに地理空間情報を伝達するのに必要なインタフェースを定義する。
コミュニケーションに対する当初の要求はコード化サービスでカバーされるであろうと思われる。さらに、問い合わせと更新サービス、カタログ・サービスへのアクセスも考えられる。
5 地理空間処理
地理空間処理は潜在的に大きな領域で、現時点、測位サービスはこの領域で既に進展している。種々のその他のサービス、座標変換、単位変換、フォーマット変換、意味変換などが考えられる。
6 地理空間システム管理
この領域にはユーザ管理、性能管理、セキュリティ管理などがあげられる。
新しい作業アイテムの提案
既に進行しているサービス(空間演算子、描画法、コード化、測位)に加えて以下の4つのサービスに関する新しい作業項目が提案されており、各々の適用範囲等は以下の通りである。
1 地物アクセス、問い合わせと更新サービス
地物アクセス、問い合わせと更新のために使われる抽象サービス・インタフェースの使用を定義する。具体的には、アクセス・サービス(単純地物、複合地物)、ISO/TC211空間演算子(単純地物、複合地物)の使用を支援する問い合わせサービス、直接更新サービス(単純地物、複合地物)、差分更新サービス(通知を伴う)、を定義する。
サービスインタフェースのUMLモデルは次のようになる。
2 座標変換サービス
座標変換のために使われる抽象サービスインターフェースの仕様を定義する。
座標変換サービスのUMLモデルは次のようになる。
3 カタログ・サービス
地理リソースの発見とアクセスに用いられる抽象サービス・インタフェースの仕様を定義する。
4 イメージ、グリッドデータ、被覆−アクセス、問い合わせと更新サービス
イメージ、グリッドデータと被覆−アクセス、問い合わせと更新に使われる抽象サービスインタフェースの仕様を定義する。