高さの基準

平均海面

  日本の土地の高さ(標高)は、東京湾の平均海面を基準(標高0m)として測られています。東京湾の平均海面を地上に固定するために設置されたのが日本水準原点です。
  海面は風や月、太陽の動きによってたえず変動していますが、長い年月連続的に観測(験潮)し、その平均をとると一定の高さを示します。これを平均海面といいます。日本水準原点の高さは、東京湾の平均海面から測ったものです。
  現実の海面は常に変動していて一定していませんが、潮汐や波がなく海流もない仮想的な静水面を「平均海面」といいます。
 
平均海面と標高

日本水準原点

  水準点の高さを定めるため、明治24年(1891年)に「日本水準原点」が設置されました。全国の主要な道路沿いに設置されている水準点の高さは、この日本水準原点に基づいて水準測量により決められ、この水準点がその地域において行われる高さの測量の基準となります。
  日本水準原点は、経年変化による高さの変動が生じないように、基礎が地下10mまで達しています。しかし、大正12年(1923年)の関東大震災で大きな地殻変動があり、日本水準原点の標高は24.500mから24.414mに変更され、昭和24年(1949年)の測量法施行令制定により24.4140m と定められました。 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に伴い、現在の標高は24.3900mとなっています。
  日本水準原点は、神奈川県三浦市三崎にある油壺験潮場から定期的に水準測量を実施し標高の値を点検しています。
日本水準原点写真
日本水準原点
日本水準原点は東京都千代田区永田町1-1
国会前庭北地区内(憲政記念館付近)にあります。

  ただし、離島の測量その他特別の事情がある場合においては、国土地理院の長の承認を得て、測量の基準となる点を定めることができます(測量法第11条第1項第3号)。
離島の高さの基準となっている点については、離島の測量(高さ)の基準となる点一覧表をご覧ください。

  日本水準原点と日本水準原点標庫は、11月18日(土木の日)に「令和元年度土木学会選奨土木遺産」に認定されました。
また、令和元年12月には、「国の重要文化財」に指定されました。

水準点

  高さの測量を行うときに基準となるのが水準点です。国土地理院の水準点は、全国の主な国道又は県道等に沿って約2km毎に設置され、高さが正確に求められています。この水準点を利用して測量することにより、土地の高さを精密に(mm単位)に求めることができます。
  水準点は全国に約17,000点設置されており、各地点の高さを測るための基準として利用されます。

基準水準点写真

基準水準点

一等水準点標石写真

一等水準点(標石)

一等水準点金属標写真

一等水準点(金属標)