測量分野ではじめての国連決議 - 国土地理院もアジア地域のリーダーとして引き続き貢献 -
発表日時:2015年3月3日(火)14時00分
国連総会は、人々の生活や経済活動において正確な緯度・経度を測ることの重要性を認めて、地球上の位置の基準を世界各国で連携して維持することを平成27年2月26日に決議しました。
測量の分野での国連総会決議は初めてのことです。
測量の分野での国連総会決議は初めてのことです。
決議の背景とポイント
- 世界の約3割の国では、今でも地球上の位置の基準がずれていて、GPSで計測した位置と地図上の位置が一致しない。(アジア地域では約5割の国々)(図1)
- GPSで簡単に位置を測れるスマートフォンが急速に普及して、2011年からの5年間に世界全体で約3倍の13億台になるとの推計。(図2)
- GPSや日本の準天頂衛星など測位衛星が急速に増加し、地球上の位置を正確に測れるエリアが拡大。
- これらを踏まえ、地球上の位置の基準を世界各国で連携して維持することを、国連総会が測量の分野で初めて決議。「地球規模の測地基準座標系(GGRF)」(別紙1、2)
- 決議には、基準を定めるために必要な能力や人材の育成支援、各国が責任を持って正確な位置を測ることなどが盛り込まれた。
- この決議により、特に途上国で位置の基準の整備や正確な位置の計測の必要性が認識され、日本がこれまで培った最先端の技術を生かして一層の海外展開が進むことが期待される。
図1.アジア地域の正確な位置の基準の採用状況
(水色:採用、赤:未採用、白:不明)
図2.世界のスマートフォンの販売台数の推計
(平成24年度情報通信白書による)
資料及び用語解説
- 資料
- 用語解説
- 地球規模の測地基準座標系(GGRF:Global Geodetic Reference Frame)
地球の形とその変化を表した位置の基準。GNSSなど、宇宙技術を用いて地球を測るさまざまな計測技術を集めて統合することで作成される。人間の社会・経済活動に正確な位置を与えるために不可欠な位置情報となっている。 - GNSS(全球測位衛星システム)
地球を周回する人工衛星からの信号を用いて位置を決定する衛星測位システムの総称。
米国の運用するGPSが代表的だが、GPS以外にも我が国の準天頂衛星システム、ロシアのGLONASS(グロナス)、欧州連合のGalileo(ガリレオ)、中国の北斗などがあり、測量やナビゲーションに広く使用されている。
- 地球規模の測地基準座標系(GGRF:Global Geodetic Reference Frame)
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〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
国土交通省国土地理院
測地部物理測地課長 宮原伐折羅 TEL 029-864-4767(直通)
FAX 029-864-1802
企画部国際課長 坂部 真一 TEL 029-864-4514(直通)
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